「専門的な解剖学は難しい!」と思っている人は、この章を読んでみてください。自分の体に興味を持ち、最低限の知識があればトレーニングに関するアドバイスがより身についていきます!

なぜ解剖学ですか?

解剖学の基本がわかれば、体に対してたくさんの気づきが生まれます。

  1. マシンの調整が自分でできるようになる
  2. 正しい筋トレフォームが見つかる
  3. 間違った筋トレフォームに気づくようになる
  4. どうすれば肩こりや腰痛を解消、予防できるかが理解できる

読むだけで理解度が深まる!

筋肉には始まりと終わりの腱があります。始まりの部分を起始と呼び、終わりの部分を停止と呼びます。

  • 起始: 筋肉が始まる腱(筋肉の根っこ)の部分
  • 停止: 筋肉が終わる腱(筋肉のしっぽ)の部分

起始と停止は関節を跨ぎ、別々の骨に付着しています。力を入れると、筋肉が収縮するために、停止(しっぽ)の腱が起始に近づいていき、結果として体を動かすことができるという非常にシンプルな仕組みです。筋肉はクレーン車の油圧機のように押したりすることができず、引っ張ることしかできません。そのため、筋肉は必ずペアになっています。つまり、骨を曲げる筋肉(主導筋)と骨を伸ばす筋肉(拮抗筋)がセットになって、連動して働くのです。
例えば、バイセプスカールという力こぶ種目の場合は、上腕二頭筋が骨を曲げる主導筋です。同じ上腕骨の背面に付着している上腕三頭筋は骨を真っ直ぐにする拮抗筋です。

各部位の筋肉を知ろう!

写真:各部位モデル(前面後面)

前面の部位
背面の部位

  1. 前腕筋
  2. ちからこぶ(上腕二頭筋)
  3. 肩(三角筋)
  4. 胸(大胸筋)
  5. わき腹(腹斜筋)
  6. 腹筋(シックスパック)
  7. もも前(大腿四頭筋)
  8. 僧帽筋
  9. 二の腕(上腕三頭筋)
  10. 背中(広背筋)
  11. 背中の下部(脊柱起立筋)
  12. お尻(大臀筋)
  13. 内転筋/外転筋
  14. もも裏(ハムストリングス)
  15. ふくらはぎ(カーフ)

>> ① 腕(前腕筋) – Wrist Flexors and Extensors

前腕筋(ぜんわんきん)は前腕骨の前面(屈曲筋)と背面(伸展筋群)に付着している複数の筋肉の総称です。手首を屈曲や伸展させる筋群です。

>> ② ちからこぶ(上腕二頭筋) – the Biceps Muscle

上腕二頭筋(じょうわんにとうきん、biceps brachii)通称力こぶの主な役割は肘から腕を曲げることです。筋腹が2つあるため、上腕二頭筋と呼ばれています。

>> ③ 肩(三角筋) – the Deltoid Muscle

肩の筋肉は三角筋(さんかくきん、deltoid muscle)と言います。この筋肉は3つの異なるところに付着している筋肉で構成されているところが面白いです。前面(フロントデルタ)と側面(サイドデルタ)と後面(リアデルタ)に分かれます。各部位が骨格に付着している場所が違う為、働き方や動作も異なります。

>> ④ 胸(大胸筋) – Muscles of the Chest

胸の筋肉の解剖学的な名称は大胸筋(だいきょうきん、pectoralis major)です。この筋肉は上部と中部と下部といったように3つに分かれます。主な働きは胸の高さで体から外へと押すことです。

>> ⑤ わき腹(腹斜筋) – the Oblique Muscles

腹斜筋(ふくしゃきん、oblique muscle)の通称はわき腹であり、内腹斜筋と外腹斜筋の2つ分かれます。この筋肉は体幹を構成する重要な筋肉の一つで、正しく鍛えると綺麗なくびれができます。腹斜筋は上体を左右に屈曲する筋肉です。

>> ⑥ お腹(腹直筋) – the Abdominal Muscle or Abs

腹筋の正式名称は腹直筋(ふくちょくきん、rectus abdominis muscle)で、通称は腹筋です。格好良くシックスパック(6つに割れている腹筋)とも呼ばれています。腹筋は体幹部を前から支える筋肉で、主な動作は体を前に屈曲させることです。

>> ⑦ もも前 (大腿四頭筋)- the Thigh Muscle

大腿四頭筋(だいたいしとうきん、quadriceps femoris)は大腿骨の前面に付着している4つの大きな筋肉で、膝から足を伸ばす動作をしています。脚の筋肉は重力に対抗する筋群であり、上半身に比べ、もっと重いトレーニグ負荷やセット数で鍛えるべきです。

>> ⑧ 背中(僧帽筋) – the Trapezius Muscle

僧帽筋(そうぼうきん、trapezius)は首から始まり、肩を覆って、背中へと入っていく大きくて力強い筋肉です。上部・中部・下部があり、メジャーな動作は上部の、肩を上げることです。

>> ⑨ 二の腕(上腕三頭筋) – the Triceps Muscle

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん、triceps brachii)通称二の腕は特に女性が気にしている部位の一つです。上腕三頭筋は上腕骨の背面に付着し、肘から腕を伸ばす役割を果たしています。腕を曲げる動作をしている上腕二頭筋(力こぶ)とは真逆の役割を担います。

>> ⑩ 背中(広背筋)– the Back

広背筋(こうはいきん、latissimus dorsi)は背中全体を覆う大きな筋肉です。発達している広背筋は逆三角形の体型を作る筋肉として特に男性の中で有名です。広背筋の主な動作は2つあり、腕を上から下に引っ張る動作と、前から後ろへと引っ張る動作を担います。この2つの動きによって動員させる筋線維や効果は異なりますので、エクササイズ選びがポイントです。

詳しく:背中の正しいトレーニング – キレイなボディラインの作り方

>> ⑪ 背中(脊柱起立筋) – the Lower Back

脊柱起立筋は姿勢維持に関与するとても重要なインナーマッスルで、直接脊柱に付着しています。腹斜筋や腹筋と一体となって体幹を構成します。脊柱起立筋は背骨を立たせる役割を果たしています。つまり、屈曲した姿勢から上半身を伸展させる動作がメインです。猫背や腰痛でお悩みの方はこの筋肉を緩めたり鍛えたりすると症状が楽になるでしょう。

詳しく:背中の正しいトレーニング – 猫背の解消と予防

>> ⑫ お尻(大臀筋) – the Glute Muscle

大臀筋はお尻の筋肉として有名ですが、実は他にも中臀筋や小臀筋があります。大臀筋(だいでんきん、gluteus maximus)は人間の最も大きな筋肉で、上半身と下半身を結ぶ筋肉でもあります。大臀筋は階段を登る時や普通に立っている時に良く使う重要な筋肉です。大臀筋の主な動作は脚を後ろに伸ばす(伸展)ことです。

詳しく:お尻の正しいトレーニング – 魅力的なヒップラインの秘密

>> ⑬ 内もも(内転筋)/お尻(外転筋) – Adductor and Abductor Muscles

内転筋(ないてんきん、adductor muscle)と外転筋(がいてんきん、abductor muscle)は股関節を安定させる役割を果たす筋群です。内転筋は大腿を内側へ引き、外転筋は大腿を外側へ引く筋群です。どちらかが弱いと歩く時にも癖がつきやすいのでご注意ください。

詳しく:内転筋/外転筋の正しいトレーニング – 内股やガニ股の解消

>> ⑭ もも裏(ハムストリングス) – the Hamstring Muscle

もも裏の筋肉はハムストリングスと呼びます。ハムストリングスが大腿骨の後面に付着しています。ハムストリングスは下肢を膝から曲げる筋肉です。他の筋肉と違ってハムストリングスは硬くなりやすいので、意識的にストレッチも欠かせません。

>> ⑮ ふくらはぎ(腓腹筋) – the Calve Muscles

すねの背面に付着しているふくらはぎの筋肉はカーフとも呼ばれています。ふくらはぎは、腓腹筋(表面筋)とヒラメ筋(深層筋)といった2つの筋肉で構成されています。カーフの主な作用は足首から足を伸ばすことです(足根底屈作用)。

骨格筋で動く骨にも目を向けましょう

大人の骨格は206本の骨で構成されています。生まれたばかりの赤ちゃんの骨格はなんと約270本の骨で出来ているのです!赤ちゃんが成長する過程でいくつかの骨が融合し、1つの骨になることから、大人の骨格を構成する骨は若干少なめとなります。もちろん、大人の場合は物理的に骨がなくなるわけではないのでご安心ください。トレーニングをする方が知っておくべき骨の一覧をまとめてみました。知っている名前もあるかと思いますが、もう一度一緒に確認してみましょう。骨は206本ありますが、筋トレで覚えておきたい骨はたった15本です。

写真:骨の図

  1. 頚椎
  2. 肩甲骨
  3. 上腕骨
  4. 肋骨
  5. 腰椎
  6. 仙骨
  7. 寛骨(腸骨、恥骨、坐骨)
  8. 大腿骨
  9. 膝蓋骨
  10. 頚骨
  11. 腓骨
  12. 鎖骨
  13. 胸椎
  14. 橈骨
  15. 尺骨