トレーニングを行う頻度については、様々な誤解が生じています。ストイック派に言わせれば、毎日でもジムに通うべきでしょうが、研究論文を見れば、週2回程度同じ部位を鍛えていくことでも充分な効果が得られると結論付けられています。体幹の筋肉である腹筋の話は有名で、毎日でも鍛えたほうが良いと聞いたことがあるかもしれません。しかし、一流のボディビルダーの中には腹筋を大会前にしか鍛えない人もいるようです。

毎日なのか、週1回だけなのか?運動生理学とスポーツプログラミング(メニュー作成の知識)に精通しているトレーナーであれば、どちらでも良いと答えるはずです。

なぜなら、トレーニング頻度はメニューの構成要素に過ぎず、独立して考えることができないからです。トレーニング頻度を左右するのは、トレーニング強度(負荷・セット数・インターバル)、トレーニングゴールやエクササイズの選択などで、これらによって実際のトレーニング頻度が大きく変わっていくのです。

つまり、毎日運動したいのであれば、それに相応しいトレーニングメニューを処方して貰えれば良いだけのこと。トレーニング頻度が低いという人も同様です。信頼できるパーソナルトレーナーさんにジムに通える頻度と滞在できる時間を伝えれば、セット数・トレーニング負荷やエクササイズの選定をトレーナーに任せるということも可能です。

週1回しかトレーニングをしない人のメニューで週7回トレーニングをしようとすると、3日目ぐらいには疲労が溜まりすぎてオーバーワークになってしまいます。自分のスケジュールに見合った頻度のメニューでトレーニングしましょう。

トレーニング頻度を上げたい人へのアドバイス

集中力が長続きしない、あるいは長時間トレーニングをしたい人は、トレーニング頻度を上げてセッション当たりの時間をMAX 30~40分にすれば、とても効率の良いトレーニングができます。量より質という考え方です。腕立て伏せ、懸垂、フロアクランチ(腹筋)や自重スクワットといった自分の体重を負荷として行う種目なら毎日やっても大丈夫です。しかしその場合、セット数は1セットだけにしてください。毎日トレーニングをする場合、運動量(セット数)をセーブするのは重要なポイントです。

特別な理由がない限り、毎日運動をするより、多くても週3~4回にまとめたほうが効率が良く、集中して追い込むことができます。

あまり頻繁にトレーニングができない人へのアドバイス

仕事で忙しくて、あまりジムに通えない人は週1回でもかなりの効果を得ることできますが、これよりトレーニング頻度が少なくなると(月2−3回ぐらいだと)顕著なトレーニング効果が得られにくくなります。週1回しかトレーニングできない場合は、全身をすべて鍛えようとする筋トレでは種目数が増えてしまい時間が足らなくなるでしょう。この場合、大きい筋肉を優先的に使う部位別の筋トレメニューのほうが効果は高いでしょう。 たとえば、大腿四頭筋(もも前)、ハムストリングス(もも裏)、広背筋(背中)と大胸筋(胸)、腹筋などの筋トレは、正しく行えば初心者でも充分な効果を実感できるはずです。

頻度が低くなる場合は、トレーニング刺激ができるだけ長く持続するためセット数を上げてみましょう。ただし、運動量が4セットを超えないようにセーブすることを忘れずに。

年齢とトレーニング頻度

人間の回復能力に大きい影響を与えるのは、年齢です。年齢が若い人ほど回復が早くて、トレーニング頻度も高いほうがお勧めです。年齢が高ければ高いほど回復に時間が掛かるため、少ないトレーニング頻度で若いときと同様の効果が得られるので、考え方としては楽です。60歳以上の人なら、週1回でも充分でしょう。

若い時からずっと運動してきたご年配の人には、年齢が70歳や80歳を超えても、週3~4回トレーニングをする人もいますが、それはかなりのベテランなので一般の人は絶対に真似はしないでください。

ご年配の人がトレーニングを始める場合は、「現状維持」がキーワードとなります。そして、脚や腰を中心に鍛えるべきです。脚のためには、座った状態で行えるレッグエクステンションやレッグカール、そして腰のためにはハイパーエクステンションや簡単なクランチがお勧めです。毎朝、自重でのスクワットチャレンジに挑戦してみても良いでしょう。

トレーニング時間の長さ

一般的に、数時間に及ぶような長い筋力トレーニングは避けるべきです。人間の体内に蓄積されたエネルギーには限界があり、通常はすでに60分ほどで枯渇してしまいます。長いトレーニングに耐え抜いたとしても、トレーニングの後半になると本来の力があまり発揮できず、扱う重量も軽くなります。筋肥大や筋力増強を狙うのであれば、負荷が重ければ重いほど良い(もちろん正しいフォームで)ということを忘れないでくださいね。昨今では、いちばん理想的なトレーニング時間の長さは約40分と言われています。短期集中で、モチベーションの維持も簡単です。

トレーニングの質は長さではなくて、強度です。ただし、高強度のトレーニングを長時間続けることは無理なので、セッション当たりの時間は短いほうがベストです。

どうしてもトレーニング時間を長くしなければならない人は、適宜休憩を入れたり、エネルギー補給などを行ったりしてください。毎回エクササイズの順番も変えることも効果的です。たとえば、今まで1番目にスクワットを行っているのであれば、メニューの最後のほうにある腹筋などを最初にやってみてみます。試行錯誤を繰り返しながら、良い変化を与えていきましょう!

年齢や鍛錬度に関わらず、週1回のトレーニングでも充分な効果が得られます。運動を始めたばかりの人は、もし可能であれば、週2回のペースで筋トレをしていけばさらに良い結果が望めます。週3回もジムに通える初心者は真ん中の日を有酸素運動のみ(自転車漕ぎ・ランニングなど)にすれば、筋力と共に心肺機能も強化されて一石二鳥です。

  • 週1回
    • 部位別のトレーニングメニューがお勧め
    • 運動量は若干多いほうが、顕著な結果に繋がるので、初心者でも3セットより4セットのほうが望ましい
  • 週2回
    • 同じトレーニングメニューを週2回こなす
    • 運動量は3セットからスタート
  • 週3回
    • 2分割のトレーニングメニューで同じ部位を週2回鍛える
    • 運動量は3セットで充分
  • 週4回
    • 2分割のトレーニングメニューを週2回こなすか、3分割のトレーニングメニューに切り替える
    • セット数や種目の選定は専門知識の多いトレーナーと相談して決めること
  • 週5回
    • 3~4分割メニューでトレーニングをし、疲労が溜まったら適宜休みを設ける
    • 自重トレーニング系の簡単な種目(腕立て伏せ、懸垂やフロアクランチ)などは毎日1~2セットこなすメニューで筋持久力をつけることが可能
  • 週6回
    • トレーニングプログラム作成に詳しいトレーナーさんに相談し、メニューやセット数などを決めましょう
  • 週7回
    • 筋トレが大好きなトレーナーさんでも週1日必ず休んでいます、強い体になるには休養も大事です

ボディタイプや遺伝的な要素によっても回復力やメニューの内容が異なってくるので、上図はあくまで目安だと思ってください。