シックスパックを作りたい!腹筋トレーニング

どのジムに行っても、最も混んでいるのは腹筋用のマシンが置いてあるエリアです。

このマシンの人気具合は「どうにかしたい体の部位」を表しています。皆、美しい腹筋を手に入れたいのです。

腹筋(腹直筋)を鍛えると、美しいボディラインや姿勢が良くなるだけではなく、実は日常の姿勢の悪さによる腰痛などの改善にも効果があります。

今回の記事では、腹筋(腹直筋)の知識と腹直筋を鍛える種目をご紹介します。

腹筋を鍛える重要性

現代人は腹筋(腹直筋)が弱くなっている?!

今の時代の人々は皆、腹筋や体幹の筋肉が非常に弱くなっていると言えます。

これは年齢に関係なく誰にでも当てはまる可能性があり面白いことに、大学生やサラリーマンよりも年配の人(60代以上〜)の腹筋力が極めて高い場合もあるのです!

そして長時間のデスクワークばかりで腰が痛いという人は要注意。
単純に腹筋が弱いということではなく、座り方や立ち方、日常の姿勢が腹筋を弱くしてしまっているのです。

腰痛改善につながる

本来であれば姿勢のスタビライザーとして働く骨に近い筋肉たちが機能せず、これらの負担が全て腰の筋肉に集中したら、誰でも腰痛になるでしょう。

腰痛の改善や予防のためには、個人に合った正しい腹筋トレーニングが必要です。

体幹の前面を覆っている腹直筋(腹筋)は脊柱起立筋(腰)と一緒に鍛えましょう。

正しいフォームであればお腹のインナーマッスルも働き、本来のスタビライザー機能を取り戻せるはずです。

腹直筋(腹筋)とは

腹筋の解剖学的名称は腹直筋(ふくちょくきん)です。

腹直筋は胸郭と骨盤を結ぶ長い筋肉で、厚みはだいたい10ミリ程度です。

腹直筋の主な動作は上半身を屈曲させる(前に曲げる)ことです。つまり、腹筋が収縮すれば、胸郭の部分が骨盤に寄せられるというわけです。

これってシックスパック?

トレーニングをすれば、まるで割れているかのように見えてくるのですが、もちろん筋肉自体が割れるわけではありません。

腹直筋は結合組織によって結ばれた「筋肉のパック」のようなもので構成されており、トレーニングをすればその「筋肉のパック」だけが肥大し、それを結ぶ結合組織は肥大しないので、腹筋は割れているように見えるのです。

シックスパックの数と形は人それぞれ

程よく割れた腹筋は、男女に関係なく憧れや注目が大きい筋肉です。

発達した腹筋はシックスパックとも呼ばれることがあります。これは腹筋がキレイに割れていることを意味しますが、見えてくる筋肉パックの個数は人それぞれなのです。一般的には6個ですが、8個や10個の場合もあります。

様々な形の腹筋があり、その形は生まれつきです。

つまり、トレーニング方法によって腹筋の形を変えることはできませんが、正しくトレーニングをすれば、誰でも格好いい腹筋の持ち主になれるのです。

腹筋(お腹)だけの部分痩せはできるの?

部分痩せというのは、ある特定のところからのみ体脂肪を減らすという考え方です。

今から約50〜60年前には部分痩せはできると信じるアスリートも多かったのですが、科学の発展によって部分痩せは不可能であることが明らかになっています。

つまり、腹筋を必死に鍛えるだけでは、あまり痩せる効果は期待できません!
腹直筋は他の大筋群に比べてあまりにも小さな筋肉であり、必死に鍛えてもほとんどエネルギーを消費しないのです。

しかし、腹筋を鍛えることによって部分痩せができなくても、じっくりと鍛える意味はあります。腹筋のラインが間違いなくキレイになっていくのです。


そこに腹筋と合わせて大筋群(胸、脚、背中など)を個人のバランスに合わせて鍛えていけば、脂肪も自然に減っていきますし、シックスパックも浮き上がってくるのです。

腹直筋(腹筋)を効果的に鍛えるためのアドバイス

腹筋は軽い負荷で鍛えれば良い、ということを聞いたことはありませんか?これはボディビル的なトレーニングによる迷信です。

筋肉量の多いボディビルダーは、高重量でのスクワットやデッリフトといった種目を的確に行い、全身をバランス良く鍛えていきます。

高負荷のバーベルを扱ってトレーニングをしていくと、腹直筋を始めとする体幹の筋肉が多大な刺激を受け、成長していきます。

ただし、ボディビルディングという競技は筋肉のバランスやレリーフが、審査基準となるため、ウェイストが太いと大きく減点されてしまうのです。

こうした理由から、ボディビルダー達は腹筋のラインをキレイに保つために、高レップ軽負荷でしか腹筋を鍛えないのです。

もし腹筋を強くしたいのであれば、高重量でのトレーニングが必要なのですが、このようなトレーニングがメインだと腹筋は肥大するだけで、ラインがなくなります。

では、どうしたらいいでしょうか?
それは、石のように硬い腹筋が欲しければ、高負荷でトレーニングをすべきですが、ラインが気になるのであれば、高レップ(回数を増やす)に切り替えたほうが効果的です。
パーソナルトレーナーとしての私たちの意見は、バランス良く両方を使いこなすことです。

腹直筋(腹筋)を鍛える種目

腹筋のエクササイズは数百個以上もあると言われています。ただ、そのほとんどは基本種目のバリエーションです。

解剖学的に腹直筋は上部、中部、下部に分けられないが、正しいトレーニングを身につけることでエクササイズによって効いてくる箇所(お腹の上部なのか、下部なのか)が徐々に感じられるようになります。

例えば、腹直筋の上部をメインに刺激したいのであれば上体起こしの動作が基本となります。腹筋台や床でのクランチのような動きです。

また、腹筋の下部をピンポイントでトレーニングしたければ、脚を上げる動作が効果的です。代表的なのは、レッグレイズです。

以下、シンプルかつ簡単に行うことができる腹筋の基本オススメ種目を紹介していきます。

フロアクランチ

クランチのスタート姿勢
クランチのエンド姿勢

フロアクランチは場所を選びません。

出張先や、旅行先、そこに床があればすぐにでもできる効果的なエクササイズです。お腹の上部がメインに鍛えられます。腕の力に頼らず行うことがポイントです。

必要であれば胸の前で腕をクロスして行いましょう。

腹筋台

腹筋台クランチスタート
腹筋台クランチエンド

最も古く、有名な腹筋のエクササイズです。

どのジムへ行っても必ず腹筋台(専用ベンチ)が置いてあります。ベンチの形は様々ですが、基本的に足が上か下で固定される作りになっているのが主流です。

効果はもちろん同じで、大切なのはベンチの種類ではなく、体のコンントロールです。

※腰痛のある人はこのエクササイズを行うことで症状が悪化する場合があります。必ず、知識があり信頼できるトレーナーか医師に相談しましょう。

バランスボール・クランチ

ボールクランチのスタート姿勢
ボールクランチのエンド姿勢

このエクササイズは腹筋台の代わりにバランスボールを使用します。

ボールの上という不安定な環境では、床で行うよりもはるかに多くのインナーマッスルたちが反応します。上半身もかなり下まで下げられるため、広い可動域でのトレーニングが可能です。

※腰痛がある人は、必ず信頼できるパーソナルトレーナーか、医師に相談しましょう。腰痛にも程度があり、不安定な環境で姿勢を保つことができず、転倒や症状の悪化を招く恐れがあるからです。

鉄棒レッグレイズ

レッグレイズ初心者フォームスタート
レッグレイズ初心者フォームエンド

レッグレイズは上級者向けの種目であり、腹筋を格好良くしたい人にオススメの種目です。

レッグレイズは腹筋を使って下半身を上げていくため、強度が高く、正確なマッスルコントロールが必要な種目でもあります。

また、ぶら下がって行うため、体重を支えるだけの腕力や体幹の力を必要とします。Dr.ヘイキはこのエクササイズを腹筋のメインエクササイズとして行っています。レッグレイズでは、腹筋の下部がメインに働きます。

※「ぶら下がるなんて私には無理!」という人もご安心ください。レッグレイズにも多くのバリエーションがあり、鉄棒がない環境や、運動経験が浅い人でも、床の上でも行えば大丈夫です。効果はほぼ同じで、強度が優しくなります。ただ、やり方によっては腰への負担が大きいため、腰痛のある人は工夫が必要です。