綺麗なボディラインをかたち作るためには、背中の筋肉を鍛える必要があります。人によって背中を鍛える理由は様々です。例えば逆三角形のたくましい体型を目指している人もいれば、スリムになるために背中のトレーニングを行う人もいます。この章では背中を覆っている広背筋の解剖学やエクササイズの正しいフォームをご紹介します。

広背筋の解剖学

背中の大きなの筋肉のことを広背筋と言います。文字通り、背中全体を広い範囲で覆っている筋肉です。広背筋には基本の動作が2つあります。

  1. 腕を上から下に引く動作
  2. 腕を前から後ろに引っ張ること

上記は、異なる動作であるため、働いている広背筋の筋線維も違います。くびれを強調させる美しい背中を目指している女性や、広く厚みのある背面の筋肉を作りたい男性は、この章を読み進めて、広背筋トレーニングの全体像を把握しましょう。

背中を効果的に鍛えるためのアドバイス

広背筋は大きい筋肉であるため、1種目だけで足りない場合があります。なぜなら、前に述べたとおり、基本動作が2種類あるからです。この2種類の動作は広背筋の別々の部分を鍛えることができます。上から下に引っ張る動作は背中の広さに、前から後ろへ引っ張る動作は背中の厚みに関与しています。これからいくつかのエクササイズを一緒に見ていきましょう。ここで紹介している種目を試し、自分に見合ったものを選ぶと良いでしょう。

背中をトレーニグするなら、ザ・ベスト5種目

こちらで紹介する種目は自体重かフリーウェイトに特化したものとなりますが、力にあまり自信のない人でも正しいフォームさえ覚えれば、少しずつできるようになる種目ばかりですので、ご安心ください。

懸垂(ワイド)

写真:懸垂ワイド

懸垂のやり方もいろいろありますが、まずはワイド・タイプからご説明します。このタイプの懸垂はクラシック・タイプであり、懸垂の中でも最も難しいバージョンです。手幅をワイドにするため強度は上がるのですが、それよりも手の向きのほうが重要です。クラシックタイプの懸垂は、手の平を前に向けます。手の平を前に向けることで、上腕二頭筋(力こぶ)は力が発揮しづらくなるため、自分の体重を広背筋だけで引き上げなければならなくなるのです。

懸垂は背中の広さを作る種目です。

  1. 両手で鉄棒を握り、ぶら下がった状態になりましょう。足も、つま先も、地面に触れないのが理想です。これが、スタート姿勢となります。
  2. 腕が伸び切っている状態から体を上に引き上げようとしましょう。無理なら、最初の数週間は途中までなんとか体を引き上げようとしましょう。
  3. 最初一回もできなった人は通常3週間も懸垂をやろうとすれば、2〜3回はフルでできるようになるはずです。自分を信じてくださいね。

懸垂(ナロー)

写真:懸垂ナロー

手の向きに注目してみましょう。このタイプの懸垂は力こぶに頼れることから、クラシックタイプに比べ簡単です。まずは肩幅くらいで鉄棒を握ります。1回も上がらなければ、手幅をそれよりもナロー(狭い手幅)にしてやってみましょう。行い方はクラシックタイプの懸垂と同じであるため、前項をご参照ください。

ワンアームロー

写真:ワンアームロー

このエクササイズは背中の厚みを作るのに効果的です。ダンベルを使うため、初心者でもすぐに行うことができる背中の種目です。広背筋に片方ずつ集中できるため、ビギナーでも他のエクササイズに比べ若干重めの負荷で行うことができます。

  1. 片腕と膝をベンチに置き、反対の腕にダンベルを持ちます。これがスタート姿勢です。
  2. ゆっくりとダンベルを上げていきます。ここで重要なのは脇を締めることです。脇が開いて行うと、力が他の部位に入ってしまうため、広背筋で引っ張れなくなります。
  3. 猫背になるのを防ぐために、顎を上げ、前を見るようにしましょう。ワンアームローの場合は、背中が丸まったりすると、広背筋が緩んでしまうから、背中を常にまっすぐに保つ必要があります。

ベントアームロー

写真:ベントアームロー

ベントアームローはバーベルを使うため、高重量が扱いやすい種目です。ある程度正しいフォームをマスターする必要があるため、ビギナーは他のエクササイズで基礎を作ったほうが良いでしょう。さらに、この種目は前かがみになるため、正しい身体操作と体幹の筋力が重要です。このエクササイズはフォームや行い方がワンアームローに似ています。ワンアームローが片腕ずつダンベルを上げるのに対して、ベントオーバーローは両手を使いバーベルを上げていきます。結果的に高重量でトレーニング負荷を上がることができるのですが、ピンポイントで効かせる効果が薄くなるわけです。

  1. 足を肩幅くらい広げ、腰から前かがみになります。両手でバーベルを持ちます。ハムストリングス(腿裏)が硬い方は、膝を若干曲げれば、やりやすくなります。これが、スタート姿勢です。
  2. 息を吐きながら、ゆっくりとバーベルをお腹のほうへと上げていきます。軽くお腹に触れたらバーベルの動きをうまくコントロールしながら、再び下に降ろします。
  3. 脇は閉めて行います。
  4. 目線は常に目を見ます。
  5. 手の甲が前に向くようにバーベルを握りましょう。

Tバーロー

写真:Tバーロー

Tバーローという種目は古くから愛されているとても効果的な種目の1つです。高重量を扱うことができ、背中の厚みを作る目的で行われます。昨今ではTバーローのマシンまで登場しているようですが、通常のバーで行うのが一番です。かなり姿勢を維持する(脊柱起立筋)の力を必要とします。高重量かつ反動でごまかさないようにするためには、体幹や腰周辺の強化も重要です。

使用する器具は、バーベルシャフトとケーブルロー用のV字ハンドルとランドマインというTバー専用アタッチメントです。ジムにランドマインがなければ、バーの先をラックか部屋の角に入れて行うことも出来ます。

  1. バーベルを跨ぎ、ケーブルローローで使うハンドルを両手でしっかりと握ります。足は膝から少し曲げ、体幹に力を入れ、固めます。これがスタート姿勢です。
  2. バーベルをギリギリ上まで引っ張り、1秒程度止めたら、またゆっくりと下げていきます。
  3. 負荷を上げるときは息を吐き、下げるときはゆっくりと吸います。
  4. 猫背になりやすいと感じたら、負荷を少し軽くしましょう。