バストアップ を目指す!大胸筋の正しいトレーニング

トレーニー達はたくましい胸板を求め、胸のトレーニングに励んでいます。
そして、欧米ではキレイなボディラインやデコルテ(胸元)の印象UPを目的とした、大胸筋のトレーニングをする女性も珍しくありません。

この記事では、胸の筋肉(大胸筋)とおすすめのトレーニング種目をご紹介します。

大胸筋(胸)とは?

胸は3つのパーツに分かれ、上部・中部・下部に分類されています。

プロのボディビルダーの胸はくっきりと境界線が入り、3つすべてがわかりやすく見えるのですが、一般の人はそこまで求めてはいないでしょう。

基本的に胸の筋肉は、上部・中部・下部を満遍なく鍛えると良いでしょう。

大胸筋は上腕骨からおこり、胸郭に付着しています。そのため、ほとんどの胸の種目は腕を体に寄せる動作を含んでいるのです。

もっとも分かりやすいのは、ベンチプレスという種目です。
ベンチプレスは肘の曲げ伸ばしを繰り返す動作に見えるのですが、実は上腕骨を体の内側へ寄せる動作を意識すると、さらに大胸筋に効くようになります。

フライ系とプレス系ってなに?

胸のエクササイズは大きく、フライ系とプレス系に分かれます。

前者はシェイプアップ、後者は筋肥大や筋力増強に向いていると考える人もいますが、運動生理学的な観点から言えば、負荷が適正であれば、どちらも効果は同じだと考えても良いのです。

なぜなら、トレーニング器具やフォームによるトレーニング効果に大きな差はないからです。それよりも大事なのは、筋線維を刺激する負荷の重さです。

フライ系種目: 広げた腕を胸の前で寄せる動作がメインのエクササイズ

プレス系種目: 胸から重りを遠ざけるように押す動作がメインのエクササイズ

他の部位に比べて、胸(大胸筋)は複数のエクササイズを用いて鍛えなければなりません。

自分に合う種目を行うことが大切

筋トレには遺伝的な要素も強く関係してくることは一般的にあまり知られていません。
例えば、ベンチプレスは最も有名な胸のトレーニング種目ですが、すべての人がやるべきかというと、答えはNOです。

腕が短い人にはベンチプレスが向いていないことが多く、テコの原理から考えれば、腕が短ければ短いほど重い負荷でのトレーニングができるのですが、可動域が狭いため、筋線維が効果的に刺激されないのです。

みんなやっているメジャーな種目だから私もやる、というのはnonsense!

ちなみにDr.ヘイキは、胸のトレーニングではほとんどベンチプレスをやらず、完全にダンベルプレスとディップス派です。やはり、色々試して、自分に合う種目を探したほうが良いでしょう。

大胸筋を鍛えるベンチの種類

大胸筋は上部、中部と下部に分かれています。
エクササイズはみんな基本的に同じですが、筋肉が働く角度だけが違います。

例えば、フラットベンチ(水平)は胸の中部、インクラインベンチ(背もたれを上げて行う種目)は胸の上部と、デクラインベンチ(背もたれを下げて行う種目)は下部を鍛えるためにあります。そのため、ジムのフリーウェイトエリアには常に2〜3種類のベンチが設置してあるのです。

フラットベンチ

フラットベンチは、胸の中部を鍛えるのに最適な角度です。

胸の厚みが増したり、デコルテの印象を際立たせるトレーニング効果が期待できます。

インクラインベンチ

インクラインベンチは背もたれ部分を上げることができます。

ベンチに角度をつけると、大胸筋の上部を鍛えることができます。

デクラインベンチ

胸の下部を鍛えるには、ベンチの背もたれを下げる必要があります。

マニアックなジムに行けば、デクラインベンチが置いてあるかもしれません。

日本のジムではあまり見かけないため、ディップスという種目で代用することもできます。

器具に依存する必要はない!

覚えていてほしいことは、決して器具に依存する必要はないということです。

胸のどこをメインターゲットにするかは、負荷が加わる角度の違いだけ。ダンベルを使っても、バーベルを使っても、角度が変わらなければ、鍛えられる箇所は変わりません。

また、多機能ベンチを使ったからといって、誰でも確実にターゲットに効かせることができるわけではありません。

大切なのは、正しいフォームを生み出すマッスルコントロール、主役はベンチやダンベルではなく、あなたの体なのです!

厚い胸板やバストアップを望んでいるのであれば、十分な負荷でトレーニングする必要があります。反復回数は6〜12レップが望ましいでしょう!

ただし、初心者の場合は個人差が大きいため、必ずパーソナルトレーナーに相談しましょう。

大胸筋(胸)を鍛える種目

最初は一つのエクササイズにこだわらず、複数の種目を取り入れてみましょう。色々と試しているうちに、自分にフィットする効果的なエクササイズが見つかります。

①ベンチプレス(バーベル)

ベンチプレスは最も有名な胸のエクササイズで、欧米では女性にも人気があります。ベンチプレスによる高いトレーニング効果が人気の1つです。

ベンチプレスでは主に大胸筋の中部が鍛えられるので、バストアップ効果も期待できます。肩や上腕三頭筋(二の腕)にも適度な負荷が掛かります。

バーベルは肩幅より広い位置で捉えます。手幅が狭ければ狭いほど、二の腕が動員されるため、胸をメインにする場合は手幅を広くしましょう。

※もし、ベンチプレスで重い負荷で上げられるようになりたいのなら、大胸筋と同じように肩と二の腕もトレーニングしなければなりません。ベンチプレスの時にスタビライザーの役割を果たしている肩や二の腕を放置したまま、80〜90キロの領域に入ってしまうと肩を壊す恐れがあります。部位間でのバランスが大切です。

②ダンベルチェストプレス

ダンベルチェストプレスはベンチプレスに次いでポピュラーな種目です。
フラットベンチで行うため、胸の中部が鍛えられます。初心者でも比較的フォームが覚えやすいところが最大の長所です。


ダンベルを使用しているため、肩の安定性を担っているインナーマッスル(ローテーター・カフの筋群)も活躍しています。

③インクラインベンチプレス

この種目は大胸筋の上部を鍛えます。女性らしいデコルテの印象を上げたり、男らしい胸板を目立つようにしたいのであれば、通常のベンチプレスよりこちらを選びましょう。
ベンチの背もたれは30-45度ほど上がっていれば、充分です。極端に上げてしまえば、胸よりも三角筋(肩の前の部分)が働くようになります。

④ダンベルフライ

ダンベルフライは胸の谷間や厚みを作るために効果的な種目です。インクラインベンチ(背もたれを上げたベンチ)でも行うことができますが、ここではフラットベンチでの動作を中心にご紹介します。

大胸筋にストレッチが掛かるところまでダンベルを降ろすのは重要ですが、肩関節の柔軟性に合わせた深さを調整しましょう。
ダンベルが上がらない、あるいはフォームが崩れそうであれば、負荷を軽くし、正しいフォームが扱える重さを見つけます。

⑤腕立て伏せ

ダイアモンドプッシュのスタート姿勢
ダイアモンドプッシュのエンド姿勢

厚い胸板を作るためには腕立て伏せでは役不足だと思われていますが、欧米のストリートフィットネスのアスリートを見れば一目瞭然、みんな綺麗なカットが見える胸板をしています。

「腕立て伏せなんて無理!」なんて声が聞こえてきそうですが、動作やバリエーションを工夫すれば、誰にでも可能性を与えてくれるエクササイズです。

【 膝付き腕立て伏せ 】

膝つき腕立て伏せスタート姿勢
膝つき腕立て伏せエンド姿勢

低体力者や腕立て伏せが初めての人は、膝付き腕立て伏せからスタートすると良いでしょう。

膝を床につけることで、胸に掛かる負担が減り、正しいフォームを維持しやすくなります。

⑥ディップス

フルディップスのスタート姿勢
フルディップスのエンド姿勢

ディップスはベンチプレスと同じくらい効果の高い胸の種目で、Dr.ヘイキが胸の日に必ず行うエクササイズです。

胸はもちろん、上腕三頭筋もかなり鍛えられます。上級者はギリギリまで体を下げることで、肩関節の強化につながります。ビギナーは途中まで体を下げるだけでも充分です。