正しいフォームを身につけよう
筋力トレーニングを始めるなら、最初から正しいフォームの習得に全力を注ぐことは言うまでもありません。正しいフォームを身につければ、様々な日常動作が楽になり、定期的にメニューを更新する際の新しい種目にもすぐに対応ができるからです。
また、これは日常生活での姿勢(猫背や反り腰)にも言えることです^^;
Dr.ヘイキはかつて高校時代指導を受けたトレーナーにフォームについてとても良い助言をもらい、それを未だによく覚えています。
「トレーニング負荷が短期間で飛躍的に上がったら、怪しいと思ったほうが良い!多くの場合、筋力がついたのではなくて、単にフォームが崩れてきただけだ。」
人間の筋肉は連動して働くようにできています。
したがって、フォームが崩れてくるともっと重い負荷も上がるようになってきますが、残念ながら、それは正しい筋力トレーニングではありません。筋力トレーニングは筋肉の成長のために意図的にターゲットの部位(筋肉)を疲労させる手段を用いるため、筋肉が連動して働いてしまうと、筋肥大(成長)には繋がりにくくなります。
鍛えて強くなるはずが、自分で自分の体を壊してしまう運動になってしまうということにも…。
会員数が多い大型スポーツクラブの場合は、ずっと付きっきりで案内を受けることは難しく、どうしても自己流の間違ったトレーニングフォームに陥りやすくなります。
そこで、正しいフォームを習得するための賢い選択がパーソナルトレーニングです。
経験や知識の豊富なトレーナーにチェックしてもらうことで、どのフォームが正しいのか、自分がどこで間違いやすいのかが明確になるからです。
実は、はじめからパーソナルトレーナーをつけることで、何もわからずに無意味なトレーニングをするよりも遥かに効率的になることは、あまり知られていません。できるだけ早く正しいフォームを身につけるよう、自分への初期投資を惜しまない人ほど、後のトレーニングがずっと楽になるのです^^
・良く間違いやすいフォーム
世の中には重力というものがあり、重力は地面にモノを引きつけます。
筋トレ中の筋肉は、それに対抗しなければなりません。
重力が掛かっている状態(ダンベルやバーベルを持っているとき)で、関節や骨が解剖学的に正しい角度になっていなければ怪我をしてしまうのは明白です。
ここでいう正しい角度とは、人間の関節や骨が重力に対抗するために最も良い角度のことです。
人間は決して壊れやすい生き物ではありません。
骨や関節は数トンの負荷にも耐えられるように設計されていますが、これは解剖学的に正しい角度になっていることが前提です。他のものと同じように、使い方を間違えれば遅かれ早かれ壊れてしまうのです。
よくある間違い#1: 無用な負担を掛けている

間違った角度では、重力に対して関節への負担が大きくなります!

正しい角度では、重力に対して関節への負担が少なくなります!
よくある間違い#2: 手首が曲がっている

ベンチプレスなどで手首が曲がっていると関節に相当の負担が掛かります!

ベンチプレスなどでは、手首を真っすぐにキープしましょう!
手首も真っ直ぐになっていないといけません。これはバーベルやダンベル、一部のウェイトマシンを使用する時に起こりやすい大きなミスです。曲がっている手首でエクササイズを行うと、手首に相当な負担が掛かってしまいます(左写真)。
特にベンチプレスのようなバーベル種目は高重量を扱えるエクササイズが多いため要注意!
正しいポジションは手首とバーが同じラインで真っ直ぐになっている状態です(右写真)。
よくある間違い#3: 背中が曲がっている

背中が曲がっていると脊椎への負担が大きくなり、怪我をしやすくなります!

背中を真っすぐにすることで負荷は分散され、エクササイズを安全に行うことができます!
背中は曲がっているかどうかは自分で認識することが難しく、多くの人が悩んでいるようです。
トレーナーさんに見てもらうことが一番良いのですが、ジムの壁に設置された鏡でもある程度は確認できます。
正しいフォームを理解せずに、重すぎるバーベルでトレーニングをしているときは背中が丸くなりやすい!(左写真)。
丸まった背中でトレーニングをした場合、腰への負担は大きく、間違いなく怪我に繋がるでしょう。
正しいフォームは、胸をはり、背骨を真っ直ぐに伸ばすこと(右写真)。
このフォームだと脊椎(背骨)への負担が均等に分散され、安全に行うことができます。
よくある間違い#4: 背中を反ってしまう

背中を反ってしまうと、背骨が圧迫されて怪我の原因になります!

バイセプスカールの時は背中を真っすぐにキープしなければなりません!
負荷が重すぎるか、無意識に反動を使いすぎている場合に起こりやすいフォームです。
まずは、負荷を適正な値まで下げることをオススメします。
人間の体は前かがみになる動作には広く対応していますが、後ろへ反るようにはできていません。
一般的に体の反りすぎは圧迫骨折につながる危険性が高いため、絶対に避けるべきです(左写真)。
バーベルバイセプスカールを行う際、背中の反りを防ぐために、股関節からやや前かがみになったほうが良いでしょう。こうすることで体幹(腹圧)が安定しやすく、反動を使わずに行うことができます(右写真)。何より、腰が過剰な圧迫から守られるので、安心です。
適切なトレーニングフォームにより関節への負担は軽減され、消耗を防ぐことができるのです。