『たくさんの回数をやればムキムキになれる!』そう考えていませんか?
昔は運動量(セット数)が多ければ多いほどトレーニング効果も高くなると考えられていました。
しかし、現在では運動量の最適化が注目を浴びるようになってきています。
セット数が多いトレーニングが、必ずしも高いトレーニング効果をもたらすわけではないことが研究で明らかになっているのです。
セット数とは?
セット数とはトレーニング量のことを意味し、レップ(反復回数)と一緒に使われることが多い言葉です。
規定値は3セットとなっているため、どのジムへ行っても、初心者は3セット行いましょうといわれるはずです。
ところが、3セットというのはあくまで基本であり、トレーニング頻度や目的、個人差(ボディタイプ)によっても、かなり変わっていきます。
耐えることのできないトレーニング量を数週間続けるだけでも、すぐにオーバートレーニングになる恐れがあるので注意が必要です。
ポイント:セット数は、トレーニング頻度や目的、個人差によって変わる。 また、セット数(トレーニング量)が多ければ多いほどトレーニング効果が得られる訳ではない。
セット数が多ければ良いわけではない理由
Dr.ヘイキも博士論文でトレーニング量についての研究を行いました。
その結果はまさに、トレーニング量の最適化を支持するものであったのです。
たとえば、筋力(力)をつけたい初心者は、最初の3ヶ月間、1セットのトレーニングをしても3セットのトレーニングをしても効果には統計的な差がなかったのです。
それに対して、筋肉を大きくしたい初心者は3セットのトレーニングを行うことで筋肥大がさらに効率的に促進されたのです。
筋力増強は神経の適応によるものであることに対し、筋肥大はホルモンの分泌によって起こる現象です。
筋力増強 | 神経の適応によるもの。初心者の段階ではあまり運動量を必要としない。そのため何セットでもあまり効果には差がない。 |
筋肥大 | ホルモン分泌によるもの。1セットより複数セットのほうがホルモンの分泌を促進させるため効果が期待できる。 |
こうしたことを踏まえトレーニングゴールを意識し、自分にあったセット数選びが重要になります。
もし、自分に見合ったトレーニング量が分からなければ、まずは1セットからはじめてみましょう。
少量のトレーニングを数週間行い、まだ余裕があればセット数を少し増やしてみてくださいね。
私は何セット行えばいいのですか?
これはとても難しい質問ですね。
セット数はトレーニング頻度にも左右され、その人のボディタイプや筋線維によっても処方が変わります。
つまり、万能薬のようなルールは存在しないのです。
そのため、試行錯誤しかありません。
まずは、少ないセット数でトレーニングをはじめ、2週間程度で何の変化もなければ、1~2セット増やし、また様子をみてみましょう!
ヒント: 体の大きい部位(胸、背中、脚)は、小さい筋肉(力こぶ、肩、二の腕など)より多くのトレーニング量を必要としている場合がありますので、担当トレーナーに相談してみると良いでしょう。 また、トレーナーにオリジナルメニューを作成もしてもらいましょう。
セット数に関するガイドライン
・セット数を多く組んだほうが大きなトレーニング効果をもたらすとは限りません。かえって過剰な疲労が溜まるだけで、運動能力が低下する場合もあります。 |
・ビギナーの場合、1セットと3セットのトレーニングでは、ほぼ同じ効果をもたらすことがあります。 |
・脚やお尻の筋肉(大腿四頭筋とハムストリングス、臀筋群)は重力に対抗する筋肉であり、普段から重い体を支えるのに慣れているため、ビギナーでも3セットからスタートして良いでしょう。 |
・いきなり運動量(セット数)を増やすと危険です。体が慣れてきたときに1セット程度あげるのが理想的でしょう。 |
・常に同じ負荷やセット数でトレーニングをするよりも、サイクル化を採用し、定期的に変化を取り入れると良いでしょう。 |