トレーニングのやり過ぎは疲労の蓄積を促し、パフォーマンスの低下を招きます。 これをオーバートレーニングと呼びます。 オーバートレーニングは誰もが思っている以上に深刻な問題であり、陥る前に食い止めなければなりません。この章では、オーバートレーニングを理解し、発散や予防のためにできることを学びましょう。

オーバートレーニングって何?

オーバートレーニングとは、トレーニングによる疲労が溜まった結果として体のパフォーマンスが低下している状態を指します。ひとたびオーバートレーニングに陥れば、体内のホルモンバランスが崩れ、安静時の心拍数や、筋肉を分解する作用のあるコルチゾールというホルモンレベルなどが上昇してしまいます。 コルチゾールは、炭水化物、脂質、タンパク代謝を制御している重要なホルモンです。これが体内に大量発散すると、筋肉を分解し、免疫機能の低下をもたらすといわれています。 この状態をカタボリックと呼びます。

カタボリックは身体に異化作用をもたらし、筋肉の分解が促進されてしまう状態のことを指します。筋トレで体を作ろうとしている人にとって、カタボリック状態は避けるべき大敵ですが、適切なトレーニング量を超えなければ、オーバートレーニングの心配はありません。

カタボリック状態に加え、オーバートレーニングはモチベーションにも影響してしまいます。疲れが抜け切れていないため、あまりジムへ向かう気分にもなりません。 これは体からのシグナルであり、さらなるトレーニング刺激から自分を守るための防衛策でもあります。 体はこのように、「これ以上は頑張れないよ〜!」と悲鳴を上げているのです。ところが、オーバートレーニングによるモチベーションの低下を「怠け癖」だと思ってトレーニングを続ける真面目なトレーニーは少なくありません。

自分の能力や限界を知らないために、オーバートレーニングに陥るのです。これは運動が初めての人はもちろん、実は中級者にも多く見られる傾向です。 自分の「良い加減を知る」のは簡単ではないので、一人で悩まず、信頼できるジムスタッフかパーソナルトレーナーに相談してみましょう。

オーバートレーニングの2つのフェーズ

体に害をもたらすオーバートレーニングの前に、比較的症状が軽く、数日間で治るオーバーリーチング(overreaching)というフェーズがあるのをご存知でしょうか。

フェーズ①: オーバーリーチング(overreaching)

オーバートレーニングの症状が軽い状態をオーバーリーチングと呼びます。 イライラしやすいけど、モチベーションはまだそれほど低下していないので、数日間の休養があれば簡単に回復する状態です。カタボリック作用による筋肉分解の被害も、それほど大きなものではありません。

フェーズ②: オーバートレーニング(overtraining)

休養を与えずにトレーニングを続けると症状が深刻化し、カタボリック作用による筋肉分解は加速していきます。朝起きたときは体が重いし、暑くも感じるでしょう。常にイライラしやすく、だるい感覚。ジムに行きたくないほど、モチベーションも低下しています。 驚くことに、こんな状態でもなんとかジムに足を運ぶ人もいるのです! 決して良いことではないので、真似はしないように! オーバートレーニングから脱出するには、トレーニングを休むしかありません。症状が重い場合は回復に1ヶ月以上も掛かることがあるので気をつけましょう。 もし、1週間ほど様子を見て、体に異変を感じたら、状況を客観的に判断してみてください。トレーニングを休み、必要であればトレーニングメニューやスケジュールを組み直しましょう。

オーバートレーニングの症状

  • 安静時心拍数の上昇
  • イライラしやすい
  • 喉が渇きやすい
  • 筋肉痛が72時間経過しても残る
  • 睡眠が不安定
  • 集中できない
  • モチベーションの低下
  • ジムに行きたくない気持ちになる
  • よく風邪を引くようになった
  • 運動していないのに体が興奮状態にある

< 注意 > オーバートレーニングの症状は他にもあります。

上記の10個は目立つ症状であり、初心者でも気づきやすいのでチェックしてみましょう。不安であればパーソナルトレーナーにご相談ください。

オーバートレーニグの予防と対処方法

自分がオーバートレーニングに陥っているかどうかを見分けることは、トレーニングに慣れている人でも容易ではありません。 以下のガイドラインを参考にしながら、自分のトレーニングメニューを見直してみましょう。

週2回の全身トレーニングが基本

基本的に週2回、同じ部位(筋肉)を鍛えれば充分だと言われています。習熟度に合わせて、セット数を3〜4に設定すれば問題ないでしょう。

エクササイズは2種目に絞る

同じ日にある部位の種目を複数組むメニューも考えられますが、部位当たりのエクササイズは最大でも2種目に絞りましょう。2種目をやれば、トレーニグ量は6〜8セットになります。6セット以上はかなりの刺激になりますので、頑張りすぎないようにしましょう。

トレーニング時間は90分以内(筋トレ+有酸素運動)

トレーニングの場合は長さではなくて、強度が大切です。高強度のトレーニングを長い時間行うことは無理なので、トレーニングセッションの理想的な長さは約45分間と言われています。45分ほどで筋トレを終わらせ、その後30〜45分間有酸素運動をやればBESTです。

トレーナーに相談しましょう

一人ですべてを決めるのは難しいことです。正しいトレーニングに関する知識やknow-howのあるトレーナーにメニューでも組んでもらえれば、結果は大きく違っていきます。