『かっこいい体になりたいから重い負荷で毎日トレーニングするんだ!』と思っていませんか?実は、そんなトレーニングのやり過ぎは、疲労の蓄積を促しパフォーマンスの低下を招きます。
この症状をオーバートレーニングと呼び、真面目な人ほど陥りやすく、誰もが思っている以上に深刻な問題です。
なので陥る前に食い止めることが、何より大切です。
この記事では、オーバートレーニングをしっかりと理解し、脱出ためにできることを学びましょう。
筋トレのやり過ぎ?オーバートレーニングとは
オーバートレーニングとは、トレーニングによる疲労が溜まった結果として体のパフォーマンスが低下している状態を指します。
筋肉を分解しカタボリックを引き起こす
オーバートレーニングに陥れば、体内のホルモンバランスが崩れ、安静時の心拍数や、筋肉を分解する作用のあるコルチゾールというホルモンレベルなどが上昇してしまいます。
コルチゾールは、炭水化物、脂質、タンパク代謝を制御している重要なホルモンです。
これが体内に大量発散すると、筋肉を分解し、免疫機能の低下をもたらすといわれています。
この状態をカタボリックと呼びます。
カタボリックは、身体に異化作用をもたらし、筋肉の分解が促進されてしまう状態のことを指します。
ヒント:筋トレで体を作ろうとしている人にとって、カタボリック状態は避けるべき大敵ですが、適切なトレーニング量を超えなければ、オーバートレーニングの心配はありません。
モチベーション低下に繋がる
なんと!カタボリック状態に加え、オーバートレーニングはモチベーションにも影響してしまいます。
『最近なんだかトレーニングのやる気が出ないなあ…』と
疲れが抜け切れていないため、あまりジムへ向かう気分になりません。
これは体からの危険信号であり、さらなるトレーニング刺激から自分を守るための防衛策でもあるのです!
体は、「これ以上は頑張れないよ〜!」と悲鳴を上げているのです。
ところが、オーバートレーニングによるモチベーションの低下を「怠け癖」だと思って、トレーニングを続ける真面目なトレーニーは少なくありません!
このように自分の能力や限界を知らないために、オーバートレーニングに陥るのです。
ヒント:オーバートレーニングは運動が初めての人はもちろん、実は中級者にも多く見られる傾向です。 自分の「良い加減を知る」のは簡単ではないので、一人で悩まず、信頼できるジムスタッフかパーソナルトレーナーに相談してみましょう!
軽い症状のオーバーリーチング?
体に害をもたらすオーバートレーニングの前に、比較的症状が軽く、数日間で治るオーバーリーチング(overreaching)というフェーズ(段階)があります。
フェーズ1: オーバーリーチング |
オーバートレーニングの症状が軽い状態をオーバーリーチングと呼びます。 イライラしやすいけど、モチベーションはまだそれほど低下していないので、数日間の休養があれば簡単に回復する状態です。カタボリック作用による筋肉分解の被害も、それほど大きなものではありません。 |
フェーズ2: オーバートレーニング |
休養を与えずにトレーニングを続けると症状が深刻化し、カタボリック作用による筋肉分解は加速していきます。朝起きたときは体が重いし、暑くも感じるでしょう。 常にイライラしやすく、だるい感覚でジムに行きたくないほど、モチベーションも低下しています。 驚くことに、こんな状態でもなんとかジムに足を運ぶ人もいるのです!決して良いことではないので、真似はしないように! |
オーバーリーチング(フェーズ1)を超えてしまうと、オーバートレーニング(フェーズ2)になってしまうということです。
セルフチェックしてみよう!
自分がオーバートレーニングに陥っているかどうかを見分けることは、トレーニングに慣れている人でも容易ではありません。
これらの以下の症状があったらオーバートレーニングになっているかもしれません。
症状 |
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・安静時心拍数の上昇 |
・イライラしやすい |
・喉が渇きやすい |
・筋肉痛が72時間経過しても残る |
・睡眠が不安定 |
・集中できない |
・モチベーションの低下 |
・ジムに行きたくない気持ちになる |
・よく風邪を引くようになった |
・運動していないのに体が興奮状態にある |
※オーバートレーニングの症状は他にもあります。不安であればパーソナルトレーナーにご相談ください。
ではオーバートレーニングに陥ってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?
オーバートレーニングの脱出方法と予防
オーバートレーニングから脱出するには、残念ながらトレーニングを休むしかありません。
症状が重い場合は回復に1ヶ月以上も掛かることがあるので気をつけましょう。
予防するには、以下のガイドラインを参考にしながら自分のトレーニングメニューを見直してみましょう。
週2回の全身トレーニングが基本
基本的に週2回、同じ部位(筋肉)を鍛えれば充分だと言われています。
習熟度に合わせて、セット数を3〜4に設定すれば問題ないでしょう。
セット数ついて知りたい方はこちらの記事で紹介しています。 ・セット数が多ければ良いわけではない!?【適切なトレーニング量の設定】
エクササイズは2種目に絞る
同じ日にある部位の種目を複数組むメニューも考えられますが、部位当たりのエクササイズは最大でも2種目に絞りましょう!
2種目をやれば、トレーニング量は6〜8セットになります。
6セット以上はかなりの刺激になりますので、頑張りすぎないようにしましょう。
セット数や種目選びについてはこちらの記事で紹介しています。 ・単関節種目と多関節種目の違いとエクササイズの選び方
トレーニング時間は90分以内
トレーニングの場合は長さではなくて、強度が大切です。筋トレ+有酸素運動で90分以内が目安です。
高強度のトレーニングを長い時間行うことは無理なので、トレーニングセッションの理想的な長さは約45分間と言われています。
45分ほどで筋トレを終わらせ、その後30〜45分間の有酸素運動をやればBEST!!!
こちらの記事でも紹介していますので、合わせてご覧ください。 ・トレーニングの一番効果的な長さと時間帯は何時?【同じ曜日と時間の習慣】
パーソナルトレーナーに相談しましょう
一人ですべてを決めるのは難しいことです。
正しいトレーニングに関する知識のあるトレーナーにメニューでも組んでもらえれば、結果は大きく違っていきます。
パーソナルトレーナーを月に一回でもつけるのも一つの策です。パーソナルトレーナーはあなたに合った正しいトレーニングを提供してもらえます。
パーソナルトレーナーとトレーニングメニューにつきましては以下の記事で詳しくご紹介しています。 ・パーソナルトレーナーをつけたほうがいい理由とは?【5つのメリット】 ・トレーニングにメニューと日記は必須!オリジナルメニューとは