トレーニング要素(負荷、セット数と頻度)

トレーニング効果を左右する要素は多数あります。

たとえば、睡眠時間や食事、そして人間の遺伝やボディタイプもその1つです。その中でもっとも大きな影響を示すのが、トレーニング負荷、セット数や頻度と言われています。

単純に言えば、トレーニング効果は負荷(強度)、セット数と頻度(頻度)で決まるわけです。

この3つは相互的な関係にあります。

例えば、重い負荷でトレーニングをする場合は、セット数かトレーニング頻度のどちらかを下げる必要があります。全てのトレーニング要素(負荷・セット数・頻度)が常にMAXの状態でトレーニングを続けてしまえば、1~2週間後には、疲労困憊でオーバートレーニングになってしまうでしょう。

オーバートレーニング: トレーニングのやりすぎで運動能力が低下すること
それでは、この3つのトレーニング要素を個別に見ていきましょう。

負荷(トレーニング強度)

トレーニング強度は単純に、バーベルやダンベルの重さです。
負荷が重ければ重いほど、挙上する反復回数は少なくなります。

基本的に、トレーニング強度は3つに分類されます。

  • 【高重量】 1~6回は筋力増強に効果的
  • 【中重量】 6~12回は筋肥大を誘発
  • 【軽重量】 15回以上は筋持久力に有効
最大反復回数が1~6回でのトレーニングは筋力増強に効果的となっていますが、一般の人にはあまりオススメできません。 これはオリンピックアスリートや長年トレーニングを継続して行ってきた人向けの強度であり、関節や靱帯に相当の負担が掛かってしまうためです。

なので、正しいトレーニングフォームが身についてきて、関節のや靭帯が強化されてきた筋トレ中級者は、筋力をつけたい場合は1~6回、筋量を増やしたい場合は6~12回、そして筋持久力をつけたい場合は15回以上といった負荷でトレーニングをすると良いでしょう。

また、筋肉や筋力(力)をつけたい人は、反復回数20回以上の負荷でトレーニングをしても、力と筋肉の量は増えません。人間の体は生理学的にそうできているのです。
どんなにスタイリッシュで目新しいトレーニングエクササイズが開発されても、これだけは変わりません。
以上のことから、筋肉を発達させたい場合は、ある程度の負荷を掛けるトレーニングを行いましょう。

ジムで1RM(1回のみ挙上できる重量)に挑戦しようとしている若者を見かけることもありますが、競いたいのであれば、1回持ち上げられる負荷というよりも、10RM(10回のみ挙上できる重量)にしたほうが、より健康的です。

一般人でも力をつけたい人はどうすればいいの?

実は、中程度の負荷でも筋力はつきます。

すでにご存知のとおり、アスリートでない限りは、6回以上15回以内の負荷を用いるのが理想的です。

具体的なやり方として、重い負荷の日と軽い負荷の日を繰り返していくスケジュール法があります。
たとえば、トレーニングを始めたばかりの人は、1ヶ月間は15回、そして、2ヶ月目は反復回数を少し落として10回に相当する重量でトレーニングを組みます。
この負荷は日や週単位で変えても構いません。
これは旧ソ連から始まったテクニックであり、サイクル化といいます。

サイクル化についてもっと詳しく知りたい人はこちらへ!

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当時、オリンピック選手の成績を上げるために、旧ソ連で開発されたトレーニングの最適化法。
トレーニング効果の頭打ちを打破する手段としても採用されています。

トレーニング強度は重量だけではない!

インターバルの調整、つまりセット間の休息時間を短縮することで簡単に強度を上げることができます。今までセット間の休息時間が1分の場合、それを30秒にするだけでもかなりトレーニングが辛くなるのです。
休憩を短くした場合、心肺機能への負担も増えるので、有酸素運動(バイク漕ぎやランニング)が苦手な人には耐えられない可能性もあります。
体力に自信のない人は、充分にご注意ください。

30秒といった短い休憩は、運動の負荷を上げるテクニックとしてインターバルトレーニングの時にも良く用いられます。
関節が弱い人、あるいは重い負荷を扱 いたくない人はセット間の休息を30秒にすることで、無理なくトレーニング強度(インテンシティー)をあげることができるのです。

負荷設定に関するガイドライン

  • 負荷は重すぎず、軽すぎない、トレーニングメニューで処方された反復回数を正しいフォームでようやくできるくらいの重さで行いましょう。
  • 初心者は関節や結合組織強化の目的を兼ねて、最初の3ヶ月は軽めの負荷設定が望ましいでしょう。
    1ヶ月目は15回、2ヶ月目は12回というように少しずつレップ数を落としながら、扱う重量をを上げていくのがポイントです。
  • 15回以上という負荷は筋トレの世界では軽すぎるので、トレーニング効果が得られにくくなります。
  • トレーニング負荷を重くせず、強度(辛さ)を上げたいのであれば、セット間の休息時間を1分より短くする方法を採用してみましょう。

セット数(トレーニング量)

トレーニング量は1つの部位あたりのセット数を表しています。場合によっては、反復回数も含みます。

シンプルに考えられるよう、ここではセット数のみで説明をしていきます。

昔は運動量が多ければ多いほどトレーニング効果も高くなると考えられていました。エリート選手やボディビルダーが10~15セットも行うことが決して珍しくなかった時代です。

現在では運動量の最適化が注目を浴びるようになってきており、セット数が多いトレーニングが、必ずしも高いトレーニング効果をもたらすわけではないことが研究で明らかになっています。

Dr.ヘイキも博士論文でトレーニング量についての研究を行いました。
その結果はまさに、トレーニング量の最適化を支持するものであったのです。

たとえば、筋力(力)をつけたい初心者は、最初の3ヶ月間、1セットのトレーニングをしても3セットのトレーニングをしても効果には統計的な差がなかったのですが、筋肉を大きくしたい初心者は3セットのトレーニングを行うことで筋肥大がさらに効率的に促進されたのです。筋力増強は神経の適応によるものであることに対し、筋肥大はホルモンの分泌によって起こる現象です。
そのため、前者は初期の段階ではあまり運動量を必要とせず、後者はメカニカルストレス(トレーニング刺激)とホルモンの量に依存しています。

1セットより複数セットのトレーニングのほうがホルモンの分泌を促進させるのです。

こうしたことを踏まえ、トレーニングゴールを意識したセット数選びが重要になります。
もし、自分に見合ったトレーニング量が分からなければ、まずは1セットからはじめてみましょう。こうした少量のトレーニングを数週間行っても、まだ余裕があれば、セット数を少し増やしてみてください。

私は何セット行えばいいの?

これはとても難しい質問です。セット数はトレーニング頻度にも左右され、その人のボディタイプや筋線維によっても処方が変わります。

つまり、万能薬のようなルールは存在しないのです。
そのため、Trial-and-error(試行錯誤)しかありません。

まずは、少ないセット数でトレーニングをはじめ、2週間程度で何の変化もなければ、1~2セット増やし、また様子をみてみましょう。

体の大きい部位(胸、背中、脚)は小さい筋肉(力こぶ、肩、二の腕など)より多くのトレーニング量を必要としている場合がありますので、担当トレーナーに相談してみると良いでしょう。

セット数に関するガイドライン

  • セット数を多く組んだほうが大きなトレーニング効果をもたらすとは限りません。かえって過剰な疲労が溜まるだけで、運動能力が低下する場合もあります。
  • ビギナーの場合、1セットと3セットのトレーニングでは、ほぼ同じ効果をもたらすことがあります。
  • 脚やお尻の筋肉(大腿四頭筋とハムストリングス、臀筋群)は重力に対抗する筋肉であり、普段から重い体を支えるのに慣れているため、ビギナーでも3セットからスタートして良いでしょう。
  • いきなり運動量(セット数)を増やすと危険です。
    体が慣れてきたときに1セット程度あげるのが理想的でしょう。
  • 常に同じ負荷やセット数でトレーニングをするよりも、サイクル化を採用し、定期的に変化を取り入れると良いでしょう。

トレーニング頻度(週に何回トレーニングをすべきか?)

これはジムに通える日数とは違い、週に何回同じ部位を鍛えるかを指しています。
トレーニング頻度は適当に決めてはいけません。
なぜなら、その人の回復能力に依存するからです。
早く回復する人は頻度が高いほうが良いし、遅い人は少ない頻度で済みます。

誰がどれくらい休養を必要としているかは、その人のボディタイプや、年齢、遺伝にもよりますが、これらより重視すべきなのは日ごろの総活動量です。 つまり、普段の仕事などでどれくらい疲れが溜まるかどうかのほうが要素として大きいのです。
なので、睡眠時間も忘れてはいけません。

疲れている体はあまり力を発揮できないので、完全に疲労が回復してからトレーニングをしたほうが、筋肉に良い刺激を与えることができます。カフェイン入りのエナジードリンクを飲んでやり過ごそうとする人もいますが、一時的な解決にしかならず、あまりオススメできません。

週に何回同じ部位を鍛えるかを決めるには、トレーニング目標を意識すると良いでしょう。

基本的にはトレーニング強度(重量)が重ければ重いほど、回復に時間が掛かるので、頻度は低く設定しますが、筋肉をつけたい人は可能な限り週2回同じ部位を鍛えるべきです。筋肉を肥大させるにはタンパク質の生合成を頻繁に促進させる必要があるからです。

週に1回、同じ部位を鍛えることは現状維持につながります。ご年配の人や運動初心者は、週に1度のトレーニングでもかなりの効果を得ることができます。若い人や体を強くしていきたい人は、一般的に同じ部位を週2回程度鍛えるのが理想的だと言われています。

トレーニング頻度に関するガイドライン

  • 若い人(20代~40代)は体の回復力が高いため、週2回同じ部位鍛えることがオススメです
  • 60歳以上の人は、週1回のトレーニングでも充分な刺激を受け、体を強くすることができます。
  • 週3回以上ジムに通える人は、分割されたトレーニングメニューやサイクル化を積極的に取り入れてみましょう。
  • 毎日それなりの負荷で筋トレを行うと、数週間でオーバートレーニングになる可能性があります。
強度や量、頻度は、筋トレの一番重要なトレーニング要素です。ひとたびバランスが崩れてしまえば、どんなにトレーニングをしても望む結果には至りません。頑張っても報われない気持ちが増し、途中でやめたくなるでしょう。

しかし、それらが最適化されたバランスの良い運動処方では、トレーニング効果は割りと早い段階で目に見えるようになってきます。エクササイズ選びや休息時間、セット当たりのレップ数といったテクニカルな点は二次的になり、あまり心配しなくても良いことになります。

もし、これらのトレーニング要素がバランス良く処方されているかどうか心配であれば、経験のあるジムトレーナー、あるいは専門知識の高いパーソナルトレーナーに相談してみてください。

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2017-03-14T16:30:13+00:008月 6th, 2016|