男女ともに興味津々なのが上腕三頭筋(二の腕)です。面白いことにその興味は2つに分かれています。たくましくなりたいのか、細くなりたいのか。上腕三頭筋は上腕骨の前面に付着している上腕二頭筋(力こぶ)とセットになって腕の太さを作っています。かっこいい腕が欲しい人は必ずトレーニングメニューに取り入れたい筋肉です。この章では二の腕をシェイプアップしたい人や、腕を太くしたい人の両方を対象に、上腕三頭筋のトレーニングについて解説していきます。

上腕三頭筋の解剖学

上腕三頭筋は上腕骨の後ろに付着し、3つの筋肉からなっています。上腕三頭筋と呼ばれている理由はそこにあります。上腕三頭筋の主な役割は、肘を軸にして腕を伸ばす(真っ直ぐにする)ことです。つまり、腕を伸ばすような動作には、すべて二の腕が関与していると思ってください。ただし、日常生活の中ではそう言った動作は少なく、腕を曲げる動作のほうがはるかに多いことから、筋トレでの二の腕をターゲットにした刺激が欠かせないのです。

二の腕を効果的に鍛えるためのアドバイス

トレーニング器具に関係なく、二の腕を効果的に鍛えたいのであれば、毎回腕を完全に伸ばしきる必要があります。これは、力を発揮するフェーズでは必ず腕を完全に真っ直ぐにしなければならないということです。中途半端な伸びでは二の腕の筋線維が完全に収縮できず、トレーニングの効果が薄れてしまいます。

これをトライセプスエクステンションというエクササイズで見ていきましょう。

写真:DBトライセプスエクステンション

〈注意〉

(左写真)腕が完全に伸ばしきれて伸ばし切れてきっておらず、肘が少し曲がっています。そのため、筋線維が完全に収縮しておらず、二の腕を鍛えるには効果が薄くなりますい。

(右の写真)腕がは完全に伸ばし切れているため切られて、トレーニング効果は高くいなります。二の腕は他の部位のトレーニングと違って、必ず伸ばし切らなければならない筋肉であることを覚えておきましょう。

二の腕を鍛える、ザ・ベスト6種目

二の腕のトレーニングも、正しいフォームが大切です。ここで紹介する種目は割と軽い負荷で行えるエクササイズばかりです。簡単だからと言っても油断は禁物!ジムで行う前に、正しいフォームを一緒に確認していきましょう。

トライセプスキックバック(ダンベル)

写真:DBトライセプスキックバック

トライセプスキックバックは女性に人気の高い種目です。軽い負荷から簡単にチャレンジすることができるため、見よう見まねでも大きく間違うことはありませんが、残念ながら9割以上の人がフォームを誤っています。ちなみにトライセプスキックバックのトライセプスという言葉は英語のtricepsという単語に由来し、上腕三頭筋つまり二の腕という意味です。

  1. フラットベンチに四つん這いの状態になり、片足の膝をベンチの上に乗せます。体を支える為に、片腕でしっかりとベンチを握り、ダンベルを握っている反対側の腕を曲げ、肘を高くあげます。これがスタート姿勢です。
  2. 上腕三頭筋に力を入れ、腕を上げ、完全に伸ばし切ります。
  3. ダンベルを下ろす動作をコントロールし、ゆっくりと下げていきます。

〈注意〉

  1. 腕を伸ばす際、肘は動いてはいけません。腕を動かしてしまうと、背中やその他の筋肉に力が逃げてしまうからです。
  2. 肘は水平ではなく、体よりもう少し高めの位置でキープしましょう。肘が体より高ければ、可動域が広くなり、二の腕はもっと頑張らなければならなくなるからです。この位置で二の腕はもっと効かせやすいメリットもあります。
  3. 上で必ず腕を100%伸ばし切るようにしましょう。

トライセプスエクステンション(ダンベル)

写真:DBトライセプスエクステンション

座位や立位で行う事ができる便利な二の腕のエクササイズです。ジムが混んでいる時でも省スペースでも集中しながら行うことができます。

  1. ベンチに座るか、背筋を伸ばして立ちます。ダンベルを握っている手を上に上げ、肘から曲げます。これがスタート姿勢です。
  2. ゆっくりと二の腕に力を入れづつ、腕を伸ばしていきます。上で伸ばしきったら、再びコントロールしながら下げていきます。
  3. ダンベルを下げる位置は腕の真後ろではなくて、反対側の肩の後ろにしましょう。
  4. 立って行う場合は、極力反動を使わないように工夫しましょう。

ライングトライセプスエクステンション(EZバー)

写真:ライイングトライセプスEX(EZ)

仰向けで行うトライセプスエクササイズです。バーベルを使うため、ある程度の高負荷でトレーニングをすることが可能です。

  1. フラットベンチに仰向けになり、足をしっかりと床につけます。EZバー(湾曲状のバー)を持ち、胸とほぼ同じ位置に上げます。これがスタート姿勢です。
  2. 肘を曲げ、バーベルを下ろしていきます。下ろす位置は頭より少し先にすれば、上腕三頭筋への負担が上がります。

セットを始める時、ジムスタッフかトレーニングパートナーにバーベルを腕に乗せて貰うと安全かつ楽です。

ベンチディップス

写真:ベンチディップス

ベンチディップスは是非トレーニングメニューに加えて欲しい種目の一つです。主な理由は以下の2つ。

  1. 初心者からプロまで、強度の調整が簡単
  2. 二の腕を鍛えるのと同時に肩関節の強化や柔軟性アップにも効果的
  • フラットベンチに座り、腕でベンチの端を握ります。体を少し浮かせ、まるで空気椅子に座っているのかのような姿勢になります。これがスタート姿勢です。
  • ゆっくりと体を下ろしていきます。下ろす位置は決まっていないが、肩に痛みが出ない程度ギリギリまで下げましょう。
  • 下で1秒程度キープしたら、再び二の腕に力を入れづつ、体を上げていきます。

ナローベンチプレス

写真:ナローベンチプレス

この種目は二の腕を高負荷でトレーニングするときに大変便利です。胸を鍛えるベンチプレスとの違いは、バーベルを握る幅です。上腕三頭筋を鍛えるため、わざと狭く握ります。バーベルを降ろす位置は、胸ではなくて、お腹の上の方(みぞおち)に下ろすようにしましょう。大胸筋の作用が少なく、二の腕に負荷を集中することができます。シャフト(バーベルの棒)を握る幅ですが、バーのツルツルした面(ギザギザの模様がないところ)の両側に親指をおけば、手幅は十分狭くなります。狭くしすぎると手首に過剰な負担が掛かかり、痛める可能性があります。

  1. ベンチプレス台に横になり、バーベルを狭い幅で握り、フックからバーベルを下ろします。これがスタート姿勢となります。
  2. ゆっくりと胸郭の下部(お腹の上の方)にバーベルを下ろしていきます。1秒程度止めたら、また上へと押して行きましょう。
  3. 胸に下ろす方法もあるが、大胸筋にもかなり力が入るため、あまりお勧めできません。

ダイヤモンドプッシュアップ

写真:ダイヤモンドプッシュアップ

ダイアモンドプッシュアップは、床についた手がダイアを形どることから名付けられています。プッシュアップというのは、腕立て伏せの英語名です。ダイアモンドプッシュアップは(正しく行われれば)優れた自体重を使ったエクササイズです。二の腕に加えて、体幹のトレーニングにもなります。

  1. 普通の腕立て伏せのフォームを取るが、手だけはダイアモンドになるように床で合わせます。
  2. 足を伸ばしたフルフォームが難しかったら、膝を床につけても構いません。
  3. 二の腕にあまり力がまだない方は、体を深く下げず、まずは浅いフォームで行ってみましょう。