体幹は人間の弱点!コアの役割とトレーニングBest 11

よく『体幹(コア)を鍛えましょう』と言われたりしますが、コアや体幹は何を指していることか分かりますか?実は、コアと体幹は同意語であり、体の全く同じところを指しています。

体幹を鍛えて強くした方がいいと言われる理由は、姿勢や美しいボディラインだけでなく、他にも大切な鍛えるべく理由があるからです。

この記事では、体幹の重要な役割とエクササイズ種目をご紹介致します。

体幹って?構成する3つの筋肉

体幹は英語でCOREと言い、核心・芯・目玉という意味。言葉の意味を見ても分かるように、体幹は人間の中心部を意味しています。

腹直筋と腹斜筋の解剖図
(1)お腹(腹直筋)、(2)脇腹(腹斜筋)
脊柱起立筋の解剖図
(3)脊柱起立筋

体幹を構成する筋肉は大きく分ければ3つあります。腹筋(腹直筋)、脇腹(腹斜筋)と、腰と首を背中で結ぶ脊柱起立筋です。

(1)腹直筋
腹直筋は一般的に腹筋として知られている筋肉で、シックスパックとも呼ばれています。この筋肉は体幹の前の部分を構成します。

(2腹斜筋
脇腹の筋肉である腹斜筋は体幹の横の部分を構成します。腹斜筋はさらに、外腹斜筋と内腹斜筋に分かれており、腹直筋に比べ面積が大きいため、体幹を支える力も大きいのです。

(3)脊柱起立筋
脊柱起立筋は体幹をサポートします。この筋肉は背骨に付着しており、姿勢保持を担って入る筋肉の1つです。脊柱起立筋が良く発達している人は背骨も真っ直ぐで、背も高く見えます。

※腹直筋(腹筋)、腹斜筋と脊柱起立筋は体幹を構成する大きな筋群です。体幹を強くするためにどれが大事と言うよりは、バランスよく鍛えたほうが良いでしょう。

体幹を鍛えると理想の体に近づく

70年代や80年代にボディビルが流行っていた頃は、全身ムキムキが美しいと考えられていましたが、90年代はシックスパックの時代でした。そして、21世紀は腹斜筋の時代です。

男性の場合、個人差はありますが、 こんなにも発達させることが可能です。
しかし、女性の場合は筋肉を肥大させるホルモンの量が少ないため、男性のように筋肉を肥大させることはできません。

女性が正しい体幹トレーニングから得られることは細いウエストときれいな姿勢です。
女性は腹斜筋を正しく鍛えることで、ボディラインがきれいになるだけではなく、ウエストにくびれが出てきますので、とても美しく見えます。

なぜ、体幹(コア)を強くすることが大事なの?

美しい姿勢でいたい、高重量でトレーニングをしたい、あるいは猫背を改善したいのであれば、体幹を鍛えるべきなのです。

体幹が強いと高重量が扱える

単純に言えば、体幹(コア)の強さで体がどれくらいまで強くなれるか、あるいはどれくらい重いものを持ち上げられるかどうかが決まるのです。

どのエクササイズを行うにしても、必ず体幹の筋肉が動作の安定に関わります。

例えば、バーベルスクワット(足の種目)で上げられる重量は脚の強さだけではなく、コアの強さでも決まるからです。なぜなら、バーベルが脚ではなく、肩に担いでいるからです。それを下で支えているのが、体幹です。

人間の上半身と下半身の間には背骨しかありません。背骨は筋肉の力がないと立てないし、腹直筋や腹斜筋、脊柱起立筋などに支えられています。筋肉が強ければ強いほど、背骨も安定します。

こうした理由があって、上半身(腕、肩、背中や胸など)の種目で扱える重量は体幹の強さによっても決まるのです。

体幹は人間の弱点

人間が手と足を広げれば、X字になります。二本の線が交差するところが一番の弱点。
これは人間にも当てはまる物理学的な原理です。

試しに、プランクというエクササイズをやってみてください。いち早くフォームが崩れ始めるのはどこからですか?

そう、それは当然、体幹です。仮に体幹がもう少し強かったら、プランクを維持できる時間も長くなっていくわけです。

お腹周りや背中の下部についてしまった脂肪を減らす目的で、体幹トレーニングをしている人を多く見かけますが、私たちの体幹(胴体)には美容よりも重要な役割があることを忘れてしまいがちです。それは、上半身と下半身を結ぶこと。まず、自らの姿勢を支える筋肉を使えるようにしましょう!

体幹トレーニング種目  BEST11

コアを鍛える効果が科学的に認められている11種目を見ていきましょう。あらゆる角度から体幹を鍛えることができるエクササイズ集です。

①腕立て伏せ(腹直筋、脊柱起立筋)

膝つき腕立て伏せスタート姿勢
膝つき腕立て伏せスタート姿勢
膝つき腕立て伏せエンド姿勢
膝つき腕立て伏せエンド姿勢

腕立て伏せは体幹に加えて、胸や二の腕を鍛える種目です。そのフォームは多岐にわたり、一番シンプルで初心者向けなのは、膝を床につけて行うニープッシュアップです。

②プランク(腹直筋、脊柱起立筋)

プランクの肘を伸ばしたフォーム

このエクササイズは英語の「板」という言葉に由来します。

体がまるで板になったかのように真っ直ぐになっていることからプランクと呼ばれています。

体幹を安定させ腰の高さを維持しながらそのフォームをキープするだけです。体を動かしたりすることはありません。

サイドプランク(腹斜筋)

サイドプランクの体を下げたスタート姿勢
スタート姿勢
サイドプランクの体を持ち上げたエンド姿勢
エンド姿勢


サイドプランクにも静と動のバリエーションがあります。動的なサイドプランクは、体を腰から上げ下げし、静的バージョンの場合は、腰を上でキープします。

キープする時間が長ければ長いほど体幹に負荷が掛かりますが、初めて行う人はおそらく10秒キープするのも難しいでしょう。

ほとんどの人は脇腹の筋バランスが崩れており、これは日常生活によるものなので、あまり気しなくて良いのですが、その差があまりに大きい場合は知識の多いトレーナーさんに相談してみてください。

レッグレイズ(腹直筋の下部)

レッグレイズのスタート姿勢
レッグレイズのスタート姿勢
レッグレイズのエンド姿勢
レッグレイズのエンド姿勢

レッグレイズはやや強度が高めのコアトレーニングです。

下腹部にフォーカスしており、足は上げる際には勢い(反動)をつけず、下げる時はゆっくりコントロールしながら行うと、腰への負担も軽減されて効果的です。

強度を上げたい人や経験者であれば、鉄棒などにぶら下がったバージョンがオススメです。

クランチ(腹筋の上部)

クランチのスタート姿勢
クランチのスタート姿勢
クランチのエンド姿勢
クランチのエンド姿勢

クランチという種目は、おそらく最も有名で誰もが挑戦したことのある腹筋エクササイズだと言えるでしょう。

ジムだと足を固定してできる専用ベンチがありますが、特殊なマシンがなくても普通の椅子やベンチがあれば可能です。

⑥スカイダイビング(脊柱起立筋)

コアマッスルの中で最も重要な脊柱起立筋を家で鍛えるには、スカダイビングが一番簡単でしょう。

上体や足をゆっくりと伸び上げ、呼吸をしながら数秒キープして下げていけば、体幹がより良く鍛えられます。

特にコアマッスルをブレーキのように使いながら下げるフェーズをゆっくりと行うことが大切です。

ダンベルプッシュアップ(脊柱起立筋、広背筋)

プッシュアップのスタート・エンド姿勢
プッシュアップのスタート・エンド姿勢
プッシュアップの中間姿勢
プッシュアップの中間姿勢


ダンベルプッシュアップは日本であまり知られていないエクササイズです。

ビギナー向けではありませんが、通常のプッシュアップ(腕立て伏せ)や正確な体幹のコントロールができるようになった人は挑戦してみてもようでしょう。見た目はプランクと同じですが、両手にダンベルを持ち、片腕を交互に上げていきます。

※ダンベルはゆっくりと床に置きましょう!ドンドンと大きな音が出てしまう場合は、動作中に体幹の力が抜けている可能性が考えられます。何より周囲に迷惑となるので、充分な配慮が必要です。

プレート上げ(腹筋)

プレート上げのスタート姿勢
プレート上げのスタート姿勢
プレート上げのエンド姿勢
プレート上げのエンド姿勢

初心者でもある程度重い負荷を使ってコアマッスルを鍛えられる種目です。両手でバーベル用のプレートを握り、勢い良く上げていきます。

下げる動作は重力に対抗するために、ややゆっくりと行うと良いでしょう。

ランドマインツイスト(コアの全ての筋肉)

Tバースクワットのスタート姿勢
Tバースクワットの中間姿勢
Tバースクワットのエンド姿勢


バーベルを床やラックに固定するためのアタッチメントはランドマイン(英語:landmine = 地雷)と呼ばれています。欧米ではクロスフィット(CrossFit)やコア系のトレーニングギアとして人気です。

アタッチメントがない場合でも、部屋やラックの角のような安定したところにバーを入れれば、同様のトレーニングが可能です。肘を伸ばしきらずに、左から右、右から左へとアーチを描くようにバーを動かしていきましょう。

バックエクステンション(脊柱起立筋)

バックエクステンションのスタート姿勢
バックエクステンションのスタート姿勢
バックエクステンションのエンド姿勢
バックエクステンションのエンド姿勢

別名、ハイパーエクステンションとも呼ばれています。脊柱起立筋を鍛える基本種目で、大抵のジムには専用ベンチが置いてあります。

とても簡単なフォームですが、背中が反りすぎないよう注意しましょう。脊椎が圧迫され、背骨に余計な負担が掛かる恐れがあります。

サイドベント(腹斜筋)

サイドベントのスタート姿勢
サイドベントのスタート姿勢
サイドベントのエンド姿勢
サイドベントのエンド姿勢

サイドプランクが苦手で脇腹のトレーニングが難しい人は、サイド・ベントがオススメです。片手に重りを握り、脚は肩幅くらいに広げ、背中をまっすぐにして立ちます。

ゆっくりと体を腰から曲げていき、重りを握っているほうの脇腹にある程度ストレッチが掛かったら、ゆっくりとスタート位置に戻します。