可動域(動作範囲)の重要性

重い負荷でトレーニングをするのはとても格好良く見えますが、そのトレーニング効果がまったくの無意味だとしたらどうしますか?

英語で言うROM (range of motion)はトレーニー達が忘れがちな動作範囲(可動域)のことです。
可動域が狭ければ狭いほど、挙上できる重量が上がりますが、その分トレーニングの効率が下がり、かえって体が硬くなってしまうことも珍しくありません。

科学的に正しい可動域は、関節や筋肉が許す限り大きいほうが良いとされています。言い換えれば、1回ごとに筋肉は最大限に伸びたり縮んだりしなければならないということです。

バーベルバイセプスカール(力こぶの種目)を例に説明します。

間違ったスタート姿勢

間違ったスタート姿勢

間違ったエンド姿勢

間違ったエンド姿勢

こうした狭い可動域は重い負荷を扱うことに長けていますが、効率が悪く、エネルギー消費も少なくなります。

狭い可動域で高重量を扱うテクニックもありますが、ビギナー向けではありません。まずは正しい可動域を覚えましょう^^

正しい稼動域

正しい可動域でどれくらい動作が変わるかを下記の写真で確認してみましょう。

可動域が広いバイセプスカールの正しいスタート姿勢

可動域が広いバイセプスカールの正しいスタート姿勢

可動域が広いバイセプスカールの正しいエンド姿勢

可動域が広いバイセプスカールの正しいエンド姿勢

  • (左)完全にバーベルを下ろしていますので、上腕二頭筋(力こぶ)は最大に伸びながら力を発揮しています。
  • (右)バーベルはギリギリまで上がっているので、主働筋である力こぶが完全に収縮しており、筋線維へのストレスが最大限に高まっています。

関節が硬いのは狭い可動域が原因!?

「筋トレのせいで柔軟性がなくなり、体が硬くなってしまう!?」というウワサを耳にしたことはありませんか?

それは事実ではありません。

単に間違ったトレーニング(狭い可動域や我流のフォーム)が原因で起こる体の反応です。
驚くかもしれませんが、毎回ハードな筋トレを行っている一流のボディビルダーやアスリートの身体は非常に柔らかく、個人差はありますが、簡単にスプリット(開脚)できるぐらいの柔軟性を持ち合わせています。

bodybuilder-splits

体や関節周辺が硬くなる原因は筋トレではなく、狭い可動域にあります。

なので、筋トレを恐れる必要はありません。適切な可動域でトレーニングをすれば、かえって可動域が広くなります。

ダンベルベンチプレスを例に説明します。

左と右の写真の両方はダンベルベンチプレスのEND姿勢となっています。

ベンチプレスの狭い可動域は非効率的です。

ベンチプレスの間違ったエンド姿勢(狭すぎる可動域)

ベンチプレスもできるだけ胸まで下すのが正しい可動域です!

ベンチプレスの正しいエンド姿勢(広い可動域)

  • (左)可動域が狭くて、完全に胸の位置まで下ろされていない状態。
  • (右)最大限に胸の筋肉がストレッチした状態。

可動域が狭いトレーニングを続けると関節自体の可動範囲も狭くなってしまいます。
そのために、筋トレをはじめたときに比べて体が硬くなったように感じるのです。

時代の変化とともに、現代人の関節可動域はかなり狭くなってきています。広い可動域でトレーニングをする前に、必ず専門知識の多いトレーナーさんに安全な動作範囲をチェックしてもらいましょう^^
硬く、動きが小さくなった関節を徐々に柔らかくしていく必要がありますので、焦らないように取り組みましょう!

動作範囲が狭くなるもう1つの問題

筋肉はトレーニング角度に依存するものです。なので、狭い可動域でトレーニングをすると、その可動域内でしか筋力がつきません。それ以外の角度では、筋肉も強化されないままなのです。

ダンベルショルダープレスで説明しましょう。

耳までしか下していないフォーム

耳までしか下していないフォーム

例外はあるが、基本的に肩の高さまで下すようにしましょう

例外はあるが、基本的に肩の高さまで下すようにしましょう

左の写真は、ダンベルを耳の高さまでしか下ろしていません。そのために、筋力(力)がつく範囲は耳より上だけです。耳より下の範囲で筋肉が働いていないため、筋力だけではなく、柔軟性もなくなり、関節自体が怪我に弱くなります。

こうした理由があるため、最初から正しい可動域でトレーニングをすることが重要です。長年狭い可動域でトレーニングをしてきた人が、高重量を扱う上級者になった時、筋肉や関節がその重量に耐え切れず、思わぬ怪我をしてしまうケースもあるので、ご注意ください。
2017-03-14T16:31:13+00:007月 21st, 2016|