女性のためのトレーニングアドバイス

不思議に思われるかもしれませんが、日本では男性よりも女性のほうがトレーニングに熱心です。
女性は本や雑誌で正しいトレーニングについての情報を収集し、自分の体や健康のことを第1に考えている傾向が強く、パーソナルトレーナーをつけるのも、実は女性のほうが多いのです。

筋力トレーニングは医学と同じように奥が深いので、独学で全体像が見えてくるまでに相当な時間が掛かり、とても大変です。他の専門分野と同じように、基本を抑えていれば、後はだいぶ楽になります。

この章では、女性に向けた筋トレのアドバイスを掲載しています。

女性と男性の違い

みなさんが思うほど、女性と男性は運動生理学的な観点から見て、そんなにかけ離れていません。

Q1:  女性の筋肉と男性の筋肉には何か違いがあるの?

A: これは少しトリッキーな質問ですが、実は細胞のレベルで見てもまったく同じです。
「女性の筋肉」という物はありません。女性向けの特別なトレーニングや方法は存在しません。(女性向けを訴えている宣伝は、その商品を売ることが目的なことが多いので、あまり気にしなくていいでしょう)。ただし、優先的に女性が鍛えるべき部位は存在します。

つまり、女性は全身を満遍なくというよりも、特に気になる部位を集中して鍛えていけば、さらに美しく女性らしいボディラインになります。

Q2: なぜ、女性は男性より力が少ない?

必ずしも女性が男性より弱いとは限りません。
生理学的に筋細胞はまったく同じで、違うのは筋肉の量だけです。発揮できる筋力は筋肉の量に比例するため、男性と同じ量の筋肉があれば、女性も男性と同じくらいの力を発揮できることになります。

Q3: 筋トレをすると男性のようにムキムキになりますか?

A: ならないというより、女性はどんなに頑張っても男性のように筋骨隆々にはなれないのです。生理学的に筋肉の質が同じであっても、体内のホルモンは違います。筋肥大を誘発するには、大量のテストステロン(男性ホルモン)の分泌が欠かせません。女性の体内でもテストステロンは作られますが、その量は男性に比べて5~10%程度しかありません。成人男性のテストステロンレベルは270~1070 ng/dLであり、平均値は679 ng/dLです。それに対して女性は、わずか15~70 ng/dL程度。これは性差によるものなので、トレーニングでは変わりません。
つまり、「女性らしく!」と言い訳をしてジムや筋トレを避ける必要は全くありません。女性が正しい筋トレを始めると、かえってもっと美しいボディラインに近づいていきます。お腹や二の腕など、ついつい気になってしまう部分は引き締まり、ハリのある肌が目に見えてわかるようになるでしょう。
1年間、正しい筋トレを行うことで驚くほどの差がつきますので、ジムに通われているのであれば、やらなきゃ損ですよ^^

Q4: 脚のむくみが解消されるって本当?

むくみというのは、ハイヒールを愛用する女性や、あまり歩く機会が少ない人に見られる症状です。ふくらはぎの機能低下によることが多く、その原因は多岐にわたります。
ふくらはぎの筋肉は下に降りた血液を再び上へポンプする作用があり、日常的にかかとの高い靴を履いていると、ふくらはぎは短くなり、ポンプとしての機能が低下するため、脚がむくんだりします。むくみの程度や原因にもよりますが、正しいトレーニングを続けていけば、良い方向に向かうことでしょう。

Q5: 自転車漕ぎで脚は太くなりますか?

ご心配なく!これは競輪がポピュラーなスポーツである日本が生んだ迷信に過ぎません。 自転車というのは一般的に、長時間漕ぐものなので、正しい動作が身につけば脚が太くなるどころか細くなっていくはずです。競輪の選手は脚を太くする特殊なトレーニングを行っているため、脚やお尻の筋肉が肥大しているのです。ももが太くなるかどうかはトレーニングのやり方しだいです。

Q6: 振袖のような二の腕は何とかなりますか?

女性は男性と違って、二の腕のところに脂肪が溜まりやすくなっています。
個人差もあり、すごく困っている人もいれば、そんなに心配していない人もいます。
これらはすべて、遺伝で決まるものなのです。二の腕の筋肉は専門用語で上腕三頭筋といいます。この筋肉はお尻や胸の筋サイズに比べると小さく、肥大しにくいのです。
つまり、実際にやってみないと分からないということ。
鍛えるなら、減量プログラムのほうが通常の筋トレメニューより効果的です。

まだ筋肉量が多い若いうちから、正しい筋力トレーニングを始めれば、ある程度の予防はできます。

Q7: ヒップアップやバストアップはできますか?

もちろん可能です。
適切なエクササイズで股関節の正しい動きでお尻に、肩甲骨や上体のマッスルコントロールで胸に効かせる感覚を身につけましょう。

女性の体脂肪率

女性の体脂肪率は男性に比べて若干高めです。それは生理的にそうなっているので、変えることはできません。男性の体脂肪率は3~5%まで下げられることができますが、女性の場合は一桁にまで下がるのはごく稀で、アスリートでも8~15%の範囲です。

年齢別男女平均体脂肪率

下図は男女の体脂肪率の理想の値を年代別で表したものです。年齢に関係なく健康的な女性の体脂肪率は20%前後だと思ってください。25%を超えるような体脂肪率は肥満に近く、やや高めだと評価されています。

年齢 30歳未満 30~50歳 50歳以上
女性 14-21% 15-23% 16-25%
男性 9-15% 11-17% 12-19%

※ 出所: HumanKineticsのサイトより

体脂肪率は年齢と共に上昇していく傾向にあります。これは年齢による筋肉量の減少に伴うものです。
また、筋肉量が少なければ少ないほど、基礎代謝が下がってしまいます。 基礎代謝とは、安静にしていても消費しているカロリーのこと。

どんな洋服でも着こなすスリムなボディが目標であれば、正しいトレーニングで少しずつ筋量を上げていきましょう。そのほうが健康的ですし、将来的にもボディラインの維持が楽になります。

誰もが羨ましがるようなボディラインのキーポイントは筋トレにあります!
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フィットネスモデル:Jamie Eason

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モデル:Dannibelle Robertson

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オランダのビーチバレー選手:Sophie van GestelとJantine van der Vlist

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女優:Jamie Chung

女性にオススメするエクササイズ集

以下のエクササイズは、女性が一番気になる部位である、お尻、お腹周り(脇腹含む)、二の腕、バストアップにフォーカスして厳選した種目です。
どれも正しく行うことで、トレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。

キレイな脚に効果的! — 相撲スクワット

海外ではメジャーなお尻や脚をターゲットにした種目が相撲スクワットです。
脚の内側にある内転筋までもが効率良く鍛えられるために、とても人気があります。

相撲スクワットのスタート姿勢

相撲スクワットのスタート姿勢

相撲スクワットのエンド姿勢

相撲スクワットのエンド姿勢

  • 関節が硬い人や柔軟性に乏しい人は、フォームに慣れてくるまではダンベルを持たずに行っても良いでしょう。

立体感のあるヒップに効果的! — ヒップスラスト

ヒップスラストはお尻を鍛えるナンバー#1の種目です。
スクワットよりも効果が高く、フォームも簡単です。
小柄の女性でも練習すれば、自分の体重以上は上がるようになります。

ヒップスラストのスタート姿勢

ヒップスラストのスタート姿勢

ヒップスラストのエンド姿勢

ヒップスラストのエンド姿勢

  • バーベルが硬いため、バーベルクッションを使いましょう。

ヒップアップに効果抜群! — ステーショナリーランジ

ダンベルを持つと更にお尻を利かせることができます。
左右を交互に行っても構いません。セット毎に脚を変えるやり方もあります。

ステーショナリランジのスタート姿勢

ステーショナリーランジのスタート姿勢

ステーショナリランジのエンド姿勢

ステーショナリーランジのエンド姿勢

  • 膝への衝撃を軽減するために、前に踏み込む足は必ずゆっくりと床に着地させましょう。

バストアップに! — 腕立て伏せ(膝を床に)

こちらで腕立て伏せの膝をつけたバージョンをご紹介します。
もっと強度を上げたい人はフルバージョンに挑戦してみてください。

腕立て伏せ(プッシュアップ)のスタート姿勢

腕立て伏せ(プッシュアップ)のスタート姿勢

腕立て伏せ(プッシュアップ)のエンド姿勢

腕立て伏せ(プッシュアップ)のエンド姿勢

  • お尻や肩が上がらないように気をつけましょう

バストアップに! — ダンベルベンチプレス

ダンベルベンチプレスはバーベルで行うバージョンより可動域が広いため、正しいフォームで行えば、健康な肩関節を作るのにも役立ちます。
ダンベルベンチプレスはダンベルチェストプレスとも呼ばれています。

チェストプレスの正しいフォーム

ダンベルチェストプレスのスタート姿勢

ダンベルチェストプレスはバーベルベンチプレスより効果的

ダンベルチェストプレスのエンド姿勢

  • 女性に場合、ダンベルを下ろす位置は脇のあたりを目安にし、正しいフォームが維持できるギリギリまで下ろすようにしましょう。

バストアップに! — インクラインチェストプレス

アジャストベンチの背もたれをあげ、30-45度の角度をつけることで、バストの上部を鍛えることができます。

インクラインチェストプレス(ダンベル)のスタート姿勢

インクラインチェストプレス(ダンベル)のスタート姿勢

インクラインチェストプレス(ダンベル)のエンド姿勢

インクラインチェストプレス(ダンベル)のエンド姿勢

  • ベンチの角度を45度より高く設定すると、胸より肩のトレーニングになってしまいますので、ご注意ください!

バストアップ — プレートプッシュアップ(谷間)

両手でプレートを挟んで行うと、効果的にバストの谷間が鍛えられます。

プレートプッシュアップのスタート姿勢

プレートプッシュアップのスタート姿勢

プレートプッシュアップのエンド姿勢

プレートプッシュアップのエンド姿勢

  • まずは2.5kgや5kgプレート1枚からはじめましょう。

お腹周りや脇腹 — サイドプランク

サイドプランクという種目は特別な器具を必要としないため、ジムに通えない人でも自宅で行うことができます。

サイドプランクのスタート姿勢

サイドプランクのスタート姿勢

サイドプランクのエンド姿勢

サイドプランクのエンド姿勢

  • 体幹や腕にあまり力のない人は、肘をついて行うと良いでしょう

お腹周りや脇腹 — プランク

お腹の鍛える種目です。
この種目は静的エクササイズ(動きを伴わない運動)であるため、強度を上げて腹筋を割りたい人はこれ以外にも動的エクササイズ(一般的な腹筋運動のような動きを伴う種目)も選ぶべきです。

静的プランクの基本姿勢 ver 1

静的プランクの基本姿勢 ver 1

静的プランクの基本姿勢 ver 2

静的プランクの基本姿勢 ver 2

  • プランクの種目には様々なフォームがあります。ver 1は強度が高めで、ver 2は肘をつくため安定しています。脇をしめるような体幹の使い方がポイントで、お尻が上がったり、腰が下がらないように気をつけましょう。

お腹周りや脇腹 — フロアレッグレイズ

お腹の下のほうを集中的に鍛える鍛える種目でが、腰が弱いあるいは腰痛のある方は痛みが出ることがありますので、知識の豊富なパーソナルトレーナーさんと一緒に行うべきです。

フロアレッグレイズのスタート姿勢

フロアレッグレイズのスタート姿勢

フロアレッグレイズのエンド姿勢

フロアレッグレイズのエンド姿勢

  • 膝を曲げれば曲げるほど簡単に行うことができます。
    適度に膝を曲げることで、腰への負担もやや軽減されるでしょう。

お腹周りや脇腹 — ベンチクランチ

腹筋を鍛える最も有名なエクササイズです。
この種目はレッグレイズと違って、お腹の上部が鍛えられます。

腹筋台でのクランチのスタート姿勢

腹筋台でのクランチ:スタート姿勢

腹筋台でのクランチのエンド姿勢

腹筋台でのクランチ:エンド姿勢

  • 背中が真っすぐになっていたり、手を首に強く当てて行うと、腰の負担増となりますので避けましょう。
    腕を前に出して、脇をしめるように背中を丸めると脊椎への負担が分散されるので、より安全です。

二の腕 — トライセプスキックバック(ダンベル)

女性が一番始めやすい二の腕のエクササイズは、ダンベルを用いたトライセプス・キックバックです。

ダンベルトライセプスキックバックのスタート姿勢

ダンベルトライセプスキックバックのスタート姿勢

ダンベルトライセプスキックバックのエンド姿勢

ダンベルトライセプスキックバックのエンド姿勢

  • 肘を脇に添え、ゆっくりと肘を軸に腕をまっすぐ伸ばします。
    重要なのは肩が動かないことです。不本意に動かしてしまうと、力はほかの筋肉に逃げてしまいます。

二の腕 — 両腕フレンチプレス

このエクササイズはトライセプスエクステンションとも呼ばれています。
座位と立位の両方で行うことができます。

フレンチプレス(別名:トライセプスエクステンション)のスタート姿勢

フレンチプレスのスタート姿勢

フレンチプレス(別名:トライセプスエクステンション)のエンド姿勢

フレンチプレスのエンド姿勢

  • 上腕三頭筋(二の腕)への効果を上げるため、毎回肘を完全に伸ばし切りましょう。

二の腕 — ナローベンチプレス

様々な上腕三頭筋の種目の中でこのナローベンチプレスが最も高重量を扱える種目です。女性の場合、腕が太くなる心配はないので、ご安心ください。1人で行うのが不安であれば、パーソナルトレーナーさんと一緒にやってみてください。

ナローベンチプレスのスタート姿勢

ナローベンチプレスのスタート姿勢

ナローベンチプレスのエンド姿勢

ナローベンチプレスのエンド姿勢

  • 上腕三頭筋を鍛えたければ、ベンチプレスと違い、肩幅くらいの手幅で行いましょう。効果を上げるには、肘を体から離さないようにしましょう。

二の腕 — ベンチディップス

この種目も自宅で簡単に行うことができる二の腕(上腕三頭筋)の種目です。
肩の可動域や柔軟性の向上も期待できます。

ベンチディップスのスタート姿勢

ベンチディップスのスタート姿勢

ベンチディップスのエンド姿勢

ベンチディップスのエンド姿勢

  • 肩を怪我している人や、肩関節が固い人はあまり体を深く下げないようにしましょう。
2017-03-14T16:48:06+00:007月 19th, 2016|